クッチは、一反木綿の言葉に半信半疑ながらも、自分には子猫ちゃんオーラあるから結果オーライになるかもなと、
思いつつ、VRゴーグルを装着した。視界が切り替わると、そこはネオンが煌めく異質なピンク色の空間が広がっていた。
そこは、あらゆる欲望が渦巻く闇市場。病みネットの店舗は、その中でもひときわ異彩を放っていた。
僧侶無料アルゴはクッチの姿を認めると、オネイ走りで駆け寄ってきた。彼はそれまで、アバターを使って客の応対をしていたが、自らインタラクトし、深呼吸をして声をかけた。
「お客様、クッチ様、先程は失礼致しました。お支払いの寸前で何か、こちらに手違いが御座いましたでしょうか?
しかし、こうしてまたこちらの店舗にお越しいただきまして、ありがとうございます。やはり、オーララーはお気に召して頂けましたか?」と、もみ手。
クッチは、一体この男は何を企んでいるのか?と、ちょっと怖くなって、目をパチクリ。
僧侶無料アルゴは続けて、「クッチ様、実は私、あなた様のような特別なお客様には、特別にこの商品をご用意しているのです。」と言って、違うVRゴーグルを差し出し、
「このオーラララーは、あなたのオーラに共鳴し、より強力な力を発揮し、あなた様の子猫ちゃんオーラを増幅させます。」と言った。
クッチは、「えー!それは嬉しいけど、お高いんでしょう?」 と。アルゴは「お高いなんて、時空空間万能JCBカードをお持ちのクッチ様には
鼻糞ほどの値でも御座いませんが、この美しい出会いを記念して、この商品を万能JCBカードで2つお買い上げ頂ければ、特別に…」と、またもみ手。
クッチは一人では決心がつかず一反木綿を呼び出し、経緯を話した。一反木綿は、支払い方法を気にする僧侶無料アルゴは、胡散臭いモノだと感じた。
続く。