クッチは、リップールの豹変ぶりに言葉を失った。「リップールったら、非道な男ね!こんなことするなんて、許せない!」と、悔しさをあらわにした。



一反木綿は、クッチの肩に手を置き、「クッチ、今は感情的になるのは避けよう。悔しいけど、僕らは今、実体のない残像だから、

どうしようもないよ。リップールは揉めメディアを傷つけるつもりはないんだろうさ、それよりも、

僕らは喫茶店に戻ったほうがよさそうだ。リップールの後をつけて、揉めメディアが何処にいるのか探ったほうが手っ取り早い!」と言った。

クッチは少し考えて「仮想通貨族って、私たちとは感性違うかも。騙し合いばかりで、ろくな奴が居ないみたい。私、揉めメディアを助けるのも疑問だわ」と。

一反木綿は「クッチ、僕らの目的はヌメヌメスターを探すことだよ! 揉めメディアに話しを聞いて、ホックのいるところを探ってみないか?」と、提案した。

クッチは「ホック? ホックは海に落ちたんでしょう?」と、不思議顔。「そうだけどさ、フリクソも、リップールもホックが死んだなんて言っていないよ。

ホックはメタル族だから、海の水で侵食されることはあるかもだけど、死んではいないんじゃないの!」と、目をキラリ光らせた。

クッチは「そうね!揉めメディアを助ける助けないは私たちの決めることじゃないけど、彼女の話しは聞く価値あるわ」と、手を打った。

喫茶店の風景が、まるでコマ送りされたフィルムのように、キュルキュルと一瞬にして切り替わり、クッチと一反木綿の目の前には2回瞬きをしたリップールが居た。


続く。