「そうだねー、この街は、まさに偶然性の世界で作られているんだよ。100円玉を投げて表が出るか裏が出るか分からないように、この街では何が起こってもおかしくない!それが偶然性さ」
しかし、クッチは「でも、100円玉を投げる結果は、本当に偶然で決まるのかしら?と、疑問を口にした。
一反木綿無視無視はニッコリして、「100円玉を投げる結果は、コインの表面のわずかな凹凸や、投げ方の手の動きなど、
実は様々な要因によって決まっているんだ。たとえ同じように投げても、全く同じ結果になることはあり得ない。」
クッチは手を打って、「だからイカサマが可能なのね! 」と笑った。
一反木綿無視無視は「確かに、偶然性の概念は、私たちの世界を理解する上で重要な要素の一つ。
でもすべてが、偶然で決まらないのが本物の世界かどうかは、一概には言えないよ。例えば、地震や台風などの自然災害、
あるいは、交通事故や病気などの不幸な出来事なども、偶然によって引き起こされる場合が多くって、主たちはそれらの偶然に無力だったね。絶滅しちゃったもの。
それでも偶然には原因がある。地震や台風は、プレートテクトニクスなどの地質学的なメカニズムによって起こるし、
交通事故や病気は、物理法則や生物学的なメカニズムによって引き起こされるはずだったけど……」
クッチは言葉を引き継いで「能力を上回る必然的な変かがあった!」と首をすくめた。
一反木綿無視無視は「パラレルワールドは、偶然によって出来ている。でも、真の世界は偶然と必然がクロスする世界。だから、本当にパラレルワールドに迷い込むことがあるんだねー」と締めた。
続く。