灼熱の太陽が容赦なく照りつける赤土の大地。 遠くには、地平線と一体化したように見える茶色い丘陵が連なり、
その奥には薄く霞む山々が立ち並んでいる。クッチは、レールに敷かれた木馬にまたがり、
パッカパッカと音を立てて進んでいた。木馬は、レール上を滑るように軽快に進んでいく。
景色とは対照的で牧歌的。前回のパラソルチョコ🍫型移動装置よりは楽だけれど 刺激に欠けるなっとクッチは感じていた。
クッチの腹に収まっていた一反木綿が、突然顔を覗かせた。 クッチは驚いて、「いつの間に出てきたの?」
と尋ねた。一反木綿は、「暇を持て余していたから」と答え、「参りますねー」と一愚痴った。
「どうせ背が開いてそこが違う世界の入口だって、ネタバレしてますから。」クッチは、「そうねー」と笑った。
「推察するに、イモムシ駅舎の中にはパラレルワールドの扉が並んでいるのよ。あわせ鏡で並ぶ無数のドアみたいにね。
それでそのドアを引き出して、世界をセットするその間に私たちが居たら邪魔なんじゃないの?」
「まるで撮影所みたいですね」と一反木綿無視無視は笑った。「そうね、でもパラレルワールドだから、
私たちにはそこで働いているモノは見えないの。 科学では証明されていないけれど、仮説上の存在として妖精さん?」
続く。