真田無視無視からパラソルチョコを受け取ると、クッチは全身が痺れる感じがして、思わず目を閉じた。目を開くとそこは薄暗く、ガランと広い倉庫のようだった。「ここはどこ?」

クッチは、辺りを警戒しながら呟いた。その瞬間、真田無視無視の声が聞こえた。

「ようこそ、パラレルワールドの駅舎へ。クッチは瞬間移動して、駅舎内部に着いたんですよ。クッチはこれからパラソルチョコの傘を開いて、行方知れずのボタン探しの旅に出るのです。」

真田無視無視は、どこからともなく現れた。彼の身体は一反木綿のように千切れていた。そして、真剣な表情でクッチを見つめていた。

クッチは一反木綿をチラ見してビクッとなりながら一歩引いて、「うわぁぁぁ、体、千切れてるよ!」と言った。



一反木綿無視無視は、「アハアハ、実はですね、私共は節と言う器官で繋がれていまして、節ごとに卵を抱えているんです。節には子宮口のあるものとないものが居ましてね、

子宮口のあるものは子宮口から卵を産めますが、ないものは産めません。ですからー、子宮口を持たない節は、節が千切れて卵を放出するのです。



今日び、アゲパンマイウー大陸の環境も悪いので少子化ですわ。少子化対策として、色々な場所に出向いて、子孫繁栄のチャンスを狙わなくってはなりません! 居候生活も結構大変と、ご理解ください」と訴えた。

クッチは気持ち悪い話しを聞かなければ良かったと後悔しつつ「でも、装置は起動しなかったよね?」と疑問をぶつけた。

一反木綿無視無視は、ニヤリと笑みを浮かべ、

「心配しないでください!この駅舎こそが、装置の起動部分なのです。ここでパラソルチョコ型移動装置の石突き部分を充電し、

露先をレールにセットすれば、あなたはパラレルワールドを移動することができるのです。」と

続く。