クッチはその安直なネーミングに耳を疑って「ウッソー」としか言えなかった。しかし真田無視無視は至って真面目に

「当時の技術では、パラソルチョコ型が最も効率的な形状だったのです。嘘じゃありません。



また、パラソルチョコは、子供時代や無邪気さを象徴するアイテムです。女々しい人々にとって、パラレルワールドは希望や新しい世界への入り口であり、

その象徴としてパラソルチョコ型を選んだのは至極真っ当な事じゃありませんか?」と煙に巻くような説明をした。

「ハァー、ハァー」とクッチは奇妙と思いつつも反論も思いつかず、頷いた。真田無視無視はクッチが納得したと思い

「それでですね、行方知れずのボタンはパラレルワールドに迷い込んだ。までの情報しかこちらのデータベースにはないので、これから先はそちらに行って、探してくださいね」と事もなげに伝えた。

クッチは、真田無視無視の説明に半信半疑ながらも、他に方法がないことを悟り、真田無視無視に尋ねた。

「それで、その、ボタンはどうやって探せばいいの?」

真田無視無視は、ニヤリと笑みを浮かべ
「簡単ですよ。このパラソルチョコ型移動装置を使えばいいんです。」と。

クッチは、その安易な解決策に呆れながらも、真田無視無視が用意したパラソルチョコ型移動装置を手に取った。

それは、本物のパラソルチョコそっくりな形状をしていて、どこか滑稽で頼りない印象は拭えない。

続く。