暗いオレンジ色をした砂山の景色の中を、まるで雪原から飛び出したかのように真っ白な真田無視無視だけが進んでいく。
真田無視無視の腹に、焼けた砂の熱さ
がじりじりと染み込み、その体からヌメヌメが失われていく。
まだ明け方だと言うのに、ギラギラとした敵意むき出しの太陽は、真田無視無視の背後に迫って、クッチを丸焼けにしようとするかの勢い。
クッチは虚ろな瞳で風で舞い上げられて行く砂をぼんやり見ていた。やがて太陽の光は砂塵に遮られ、世界はオレンジ一色に染まった。
真田無視無視は水平型エスカレータの動きを止め、軽い地震を起こしてクッチを砂場に放りだした。
クッチはまたしても小花柄のおパンツを御開帳。ペッと腹に入った砂を払って、真田無視無視に文句を言おうとして顔を上げると、
そこには、大地を這い伏したかのような巨大なイモムシが鎮座していた。それはエアーズロックを想像させたが、イモムシは乳白色でその背筋は、大きく湾曲しながら伸びていた。
その背の中央には、レールのように真っ黒な線が一条、尾根のように隆起していた。イモムシの体には、所々に黄金の斑点模様が浮かんでいた。
その模様は、一つ一つがカタツムリの殻のような形をしており、陽の光を受けると眩い輝きを放っていた。まるでイモムシの体に、宝石が散りばめられたかのようだった。
クッチはその異形に身震いして、真田無視無視にすがった。真田無視無視は再び地震を起こし、クッチを振り払い転ばせ、おパンツを見て笑った。
続く。