約2億5000万年の間にこれまでの大陸は1つの超大陸アゲパン・マイウー「パンゲア・ウルティマ」を形成した。



火山の噴火は常態化し二酸化炭素が大気中に充満し温暖化が引き起こされた。加えて太陽も明るさを増し、より多くのエネルギーを発して地球温暖化に拍車がかけられた。

人類は超大陸アゲパン・マイウーで過酷な環境に適応しながら生き延びていた。しかし、太陽の膨張による地球温暖化は止まることを知らず、ついに人類の生存限界を超えてしまう。

さらに時は経過し35億年後に、太陽はますます膨張し続け、アゲパン・マイウー大陸は極めて高温で乾燥が激しく、

人類や他の哺乳類が事実上暮らせない環境になっていた。人類と他の哺乳類は、過度の高温下で長期間耐えられるような進化を遂げておらず絶滅していた。

そんな環境下、カバンのクッチはネバネバの道に足を取られつつ、西の空に目を向けた。

クッチは巨大な太陽がゆっくりと地平線に沈んでいく様子を呆然と見守った。太陽の熱は強烈で、クッチのナイロンの皮膚を焦がそうとする。

しかし、カバンのクッチはリーズナブルでありながらもお値段以上の防火防水加工の施されたモビルスーツ並みのスペックを持つモノ。



太陽の光が完全に消えるまで、クッチはじっとその様子を見つめていた。太陽が沈むと、辺りは暗闇に包まれた。

クッチは夜の訪れを感じ、身震いした。彼女はここで朽ち果てるのが自分の定めかとがっくり肩を落とした。

その時、道が揺れ始めた。地震も頻回に起こるのかもとクッチは怯えたが、「重いんだけど」と、道から声がして、またしてもオシッコチビるほど驚いた。