クッチは単三の包帯を地下物置の棄てといてステートの所に送り届けた。ステートは、単三の包帯を見つめた瞬間、

モノ格が戻ってきたことを理解した。単三の包帯はステートの手に飛び込み、ステートは、ぎゅっと抱きしめ受け止めた。



「おかえりなさい!」ステートは、涙を浮かべながら単三の包帯に語りかけた。単三も、ステートの温もりを感じながら、静かに喜んでいた。

クッチは、単三の包帯の復活を他のモノたちに伝えるため、各部屋を訪れ、単三の奇跡的な回復を報告すると、

モノたちは驚きと喜びを隠せない様子だった。普段は無口なモノたちも、涙をこらえながら笑顔を浮かべていた。

処置室のカストの扉が開かれる事はなかったが、単三の包帯に一番近い彼女たちは小躍りして喜んでいるだろう。その姿が想像できて、クッチは微笑ましい気持ちになった。

役目を終えたクッチは玄関に向かった。しかし、玄関先で待ち受けていたのは、単価の安い担架だった。



担架は、クッチを睨みつけ、威圧的な声で「ここでの掟を守らず、出ていけるとお思いかい?」と啖呵を切った。

クッチはキッとなって「これが最後のダジャレね!聞かせて貰おうじゃないの」と、思わず笑みがこぼれた。

「それじゃあ行くぜ! ちっこい族のクリップや輪ゴムの死に場所は何処だ!」と担架は言った。

クッチは頭をフリフリ「そーんな七億人が答えられそうな質問あるー」と嘲笑った。

続く。