悲嘆の包帯は、風呂から上がって鏡に映る自分を見て、キョトンとした表情を浮かべた。
「……私って、誰?」
彼女は、汚れの落ちた自分が誰なのか、何をすべきなのか全く分からない。悲嘆と額の記憶が一切残っていなかった。
クッチは彼女の表情を見て、心配そうに声をかけた。「悲嘆さん、大丈夫ですか?」
悲嘆の包帯は、クッチに助けを求めるようにすがった。
「私は悲嘆ではありません……私は炭酸の包帯です、私に……私に、何が起こったの?どうしてこんなことになってるの?」
クッチは、炭酸の包帯を優しく抱きしめ、ゆっくりと説明を始めた。「炭酸さん、あなたの心は分裂し、夢を見ていたのです。……でも、もう大丈夫。あなたの汚れは洗い流され、非炭酸から炭酸さんに戻ったのですから」
しかし、炭酸の包帯は記憶を失っており、クッチの説明を理解することはできない。クッチは、彼女の混乱を察し、無理に説明しようとはしなかった。「大丈夫ですよ、炭酸さん。もう、悲しむ必要はありません。」
クッチの言葉に、炭酸の包帯は少し安心したように見えた。しかし、まだどこか不安そうな様子。
クッチは、腹の湯を抜いて、腹の中を洗っていると、糸くずを発見した。糸くずは、真っ白で、幸福を運ぶ白蛇のように見えた。
「これは一体なんだろう?」クッチは糸くずを手に取り、よく観察してみる。しかし、糸くずの正体は分からない。捨てるところが見当たらず、クッチは糸くずをハンカチに包んで持ち帰ることにした。
記憶を失った炭酸から非炭酸の包帯の記憶を聞いても混乱させるだけだろうと思い、クッチは一旦、家に戻ろうと思った。
続く。