クッチは「確かに、私はもう、ここには誰もいないだろうと考える粗忽モノですが、役中ドラッグ・クイーンではありません。
歌も踊りも出来ませんし、カバンの私の性別はユニセックス、ジェンダーレスでないと、人気者になれない世知辛い昨今、この業界、割と時代の先端を行ってます」と反論した。
そんなビーカー菜はハテナハテナを頭に浮かべながら「アンタ、理由の分からないことを言って、私を煙に巻こうって作戦かい!
アンタは主の世界では弱い存在だけど、モノとしては考える力を持っているって言いたいの? インテリア気取りだね!つまり、アンタは考えるカバンだと?」と。
クッチは「私はインテリアでもなければ、シャンデリアでもないけれど、嗚呼、素敵な言葉ね! 私は弱い存在だけど考えるカバン、そしてあなたは考えるビーカー!」と瞳を輝かせた。
そんなビーカー菜は「そうさ、主たちは自分たちだけがこの世の勝者みたいな顔をしてるけど、でも、考える葦である前に、考えな管!でしかないんだよ。
主たちは血管が詰まったら脳溢血やら心臓麻痺でお陀仏さ。葦であるなんて、下手の考え休むに似たり、その前に土台鍛えろ!
四の五の言わずに体を動かせ!と言いたいね。イッヒッヒー」と機嫌を直した。
クッチは、そんなビーカー菜の言葉に少し考え込んだ様子で、「なるほどね。確かに、考えることも大切だけど、行動することも大切。私ももっと体を動かして、骨盤底筋を鍛えて尿モレ治すわ。」と笑顔で答えた。
続く。