額の包帯はクッチにじゃれついて「ねぇねぇ、悲嘆の包帯は何処か他にいるかも知れないよ! 二人で彼女?を探しに行こうよ」と言った。

クッチは再びステートを見上げた。「嗚呼、そうだね、クッチさんとお散歩して来たら気晴らしになる。ねぇ、クッチさんも良いかな?」とステートは言った。

額の包帯は両手をパンパン叩いて喜び「クッチさん、クッチさん、どこへ行きたい? 何をしたい? 私ね、病院のことは隅から隅まで知ってるから案内してあげる!」と右左に頭を振りつつ言った。

「うーん、どこに悲嘆さんは居ると思う? この病院が長いなら噂くらいは聞いた事ないかな?」と クッチ。

額の包帯は口をとがらせて「えー、クッチさん、悲嘆さん、悲嘆さんって、つまんなーい。クッチさんは額の事、好きじゃないの? 寂しいなー、私はクッチさん、大好きなのにー」と言った。



クッチは困ってしまったけれど、これは駄々っ子と同じなんだ。そして彼女は孤独なんだと感じた。「ごめんね、私、自分の事ばかりを優先させようとしちゃったね、

額の包帯さんの散歩なんだから、額さんの行きたいところへ行こうよ!」と言って、額の包帯の手を握った。



額の包帯はすぐに機嫌を直してヒラヒラと蝶の舞う仕草で「包帯って言えばさぁ、処置室って相場は決まってるぅー、

お友達も居るから悲嘆さんの話しもきっと聞けるよ、ついて来て!」と言って蝶の舞う仕草で廊下をスキップして進んだ。

続く。