クッチは恐怖を飲み込んでしまうと、腹立たしくもあり、立ち上がって「ナニすんのよ!」とキレ気味に怒鳴った。ステートはどこ吹く風の様子で
「怖がりたいモノを怖がらせて、またいらしてもらう、それが孤独嫌いなモノのオ・モ・テ・ナ・シ裏ばっかりだよ」とうそぶいた。
クッチは鼻に皺を寄せて、「怖がりたいから来るモノだけじゃないんだってばー、教えてもらいたいことがあるの」と言った。
捨てといてステートは右耳が不自由だったので聞こえが悪く「エッ!」クッチは、ステートのひだり耳元まで顔を近づかせて、
「私はクッチです。悲嘆の包帯さんを探しに来ました。ご存知ありませんか?」と大声で尋ねた。
するとステートは「ワッ! ワタクシ、ベル型だからね。ベルの面では低音を、膜型の面では高音を聞けるんだよ!
そんなに大きい声だと、膜がブルブル震えて壊れちゃうよ。だから、もう少し小さい声で話してくれるかい?
病院に来るならそのくらいは知っといてほしいもんだ、ウカウカしてたら、死んじゃうよーヒッヒッフー」と機嫌はすぐに治ったようだった。
「アンタ、ここに来るまでにも同じ事があったと思うけど、情報はタダの時代じゃありません!
でも、お客様には大盤振る舞い!ワタクシ、捨てといてステートの質問に正解したら、情報をプレゼント!致しまウマショー」と言った。
クッチはまたかーと思いつつ「ハイハイ、分かりました 質問どうぞー」と答えた。
ステートはグフフと笑って「では参りますぞ! ワタクシは居酒屋に入りました。さて、ワタクシはこの居酒屋の常連客もしくは新規の客?さあ、どっち!」と出題した。
続く。