バーはクッチの手を握り返して「クッチ、冒険をするたびに、強く優しくなっているね。バーは嬉しいよ。
もしクッチがGUCCIだったら、高嶺の花として扱われ、人々の憧れの存在となってたかも知れない。でも、華やかな箱の中に閉じ込められて、何も学べず変われなかったと思う。
GUCCIの華麗な装飾は、確かに魅力的。でもやっぱりそれは外見的な美しさに過ぎないね。
真の強さや優しさは、冒険を通して磨かれるものなのよ。クッチは、多くの困難を乗り越え、様々なモノたちと出会い、その中で自分自身を成長させてきた。
モノを成仏せようだなんて誰が思いつく?そしてその行動は絶望していたモノたちの希望になったなんて、バーは鼻が高いよ。
その経験はきっとこれからのクッチの生き方にもプラスになる。嗚呼、ごめんね。もう、クッチはGUCCIから卒業しているのにさ。
クッチはバーが自身の辛い話をしてくれたことが嬉しくもあり、自分の成長を褒められたのも嬉しかった。
こうして二人は優しい言葉を掛け合いながら数日間を過ごした。クッチは自分とGUCCIを比べるような気持ちにはならなかったけれど
性急な仕草は上品に見えないし、失敗も多いと反省し穏やかな心で過ごすことを心がけるようになっていた。
クッチは冒険が終わったら夢の島に戻って気のおけない仲間たちと再会しようと考えていたけれど、夢の島が焦土と化した事実を知らなかった。
クッチとバーは無邪気に笑い合って日々を過ごした。
続く。