クッチの話しは調子に乗ってきた。
「主はあなたが勤勉に仕事をするモノと見込んでいた。だからレポート、論文、履歴書、そして未来への夢を、あなたを信頼して託してきたんじゃないの?



今はもう主はいないけど、主はファイルさんを忘れない。一緒に過ごした思い出、あなたが主に与えていた静かな友情、

そして揺るぎない忠誠心に感謝しているのが私には分かる。主はたとえ直接、ケチと言われたとしても、あなたを持ち歩いていたことを思い出すよ。

だから、自分を責めたり自分を否定するのは止めましょうよ。主の苦しみは、あなたへの愛情の反映ではなく、主が住む世界の問題なの。

ファイルさんを失った悲しみは主から消えないだろうけど、あなたから教わった、工夫次第でまだまだ使える、そして世界は良い方向へ変わっていく。

と言うモノの真価をあなたは主に見せ、主はそれを受け取り、真の価値の意味の教訓を胸に、前に進んでいくわ。

ファイルさんのモノ生は終わりを迎えたけど、ファイルさん、あなたの遺産は生き続けている。



あなたは主の人生に触れ、違いを生み出し、主の心に消えない宝石のような輝きを残したの。疵物のあなたはその傷を乗り越え主の心に真の価値を残した。

あなたは自分が目的を果たしたことを知って、平安を見つけて。後悔や不安からあなたを遠ざけているものを手放して。

愛され、大切にされ、感謝されたことを思いだしてね。ファイルさん、前に進む時が来たの。

あなたの不完全さは恥の源じゃなくて、平凡の中にある非凡さの証だった。そして今新しい章に着手する時よ。

メタンの谷へと飛び立ち、新たなモノ生に旅立って。主はあなたを忘れないという愛と感謝を忘れないで。

続く。