クッチとお守りは、メタンの谷でピストルの最期を見届け、合掌し静かに佇んでいた。
「あー、どうなっちゃうのかと私はハラハラしましたよ」とお守りが言った。クッチは「マジで厳しかった。ピストルさんを諭すなんて大間違いだわ。彼は気の毒なモノだっただけ」とうつむいた。
お守りはクッチの肩をそっとたたき、「生まれも育ちも、そして使われ方も自分で選べるわけじゃない。モノって、なんて儚い存在なんでしょうね。
でもクッチさん、私たち、主のお役に立ってれば躁状態でご機嫌だ。私たちは、彼らに仕えてさえいれば、それでいい。
たとえ主たちが『者にあらずんば人にあらず』と豪語していても、『たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ』ですよ。」
クッチは苦笑しながら、「なるほどね。この星にある全てのモノも者も、時が来たらシャッフルされて、また生まれ変わるんだもんね、
フッフッ、悠長な話しではあるけどさ。それにしても漬実とジーソって、毎日、彼らのようなつわ者を相手にしてて、気が腐らないのかしら?」
お守りはエヘヘと笑い「彼らの真価はピリリ味変もありますけど、腐らないの?が一番ですから」と言った。クッチもつられて二人は笑った。
「それにしても新婚さんなんて羨ましいわ」とクッチはGUCCIる。お守りは「クッチさんは若くってキレイだからこれからです。
クッチさんは自ら夢の島に飛び込んで来たって方なんだから、お家に帰って、彼氏を見つけたらいいんですよ」と、真顔になって言った。