ピストルは「私は、すべての人が理解と思いやりを持って接する世界を願っています。他人の違いを尊重する世界。暴力に訴えることなく、意見の相違を解決できる世界。

そこに私の居場所はありません。私は地獄に行って自分の罪を償うと共に、成仏できないモノたちの怒りを鎮められたらと思っています。それが私の心を唯一救う手段です。」ときっぱり言った。

クッチはニッコリ微笑んで「ねぇ、ピストルさん、夢の島には主から見捨てられて捨てられたモノが大勢いるけど、主たちの一部の人々は私たちモノにも心のあることを知っていて、

包丁塚、めがね之碑、暦塚、針供養があって、人形や洋服、財布などはお焚きあげされ供養されています。



でもピストルさんは供養されていません。それは、ピストルさんの存在を主たちが否定したいからじゃないかな?ピストルさんが望むような世界を主たちも望んでいるんですよ。」と言った。

ピストルは顔を上げて「主たちも心のなかではお互いを傷つける世界は望んでいないと、クッチさんは考えているのですね

でも私は冒した罪を償いたいです。どうか地獄に送って下さい。」と訴えた。クッチは「ピストルさん、地獄とはどのような場所だと想像していますか? 



地獄や天国に行っても、いずれは新たな姿形を得て存在し続けるのがモノの定め。この星にある多くのモノは、姿形を変えながら、新たな命として生まれ変わり、永遠に存在し続けるでしょう。