クッチは首をフリフリ「そんな権利、私たちにはなくない?それって主たちの仕事でしょ」と言った。

「そうですけれども、主たちは責任を放棄した挙句の夢の島です。私たちがなんとかしてあげなければ!」

興奮気味のお守りをなだめるようにクッチは「話しを聞いてあげられたらいいけど、直接、ピストルと話すのは難しいわよね」

と言った。お守りは喜んで「ピストルの魂は純粋でまじりっ気がないから憑依は簡単です!話を聞いて、慰めて下さい」と言って早速ピストルを呼び出した。

クッチは現れた陰気なピストルに「こんにちは、私は火葬担当のクッチと申します。なにかお困り事があるって、憑依担当のお守りさんから伺いました。

お役に立てる事があるかも知れないのでお話しを伺えますか?」と明るく尋ねた。ピストルは涙声で「はい、私は罪モノです。

多くの主の命を奪ってしまいました。私がその命を奪わなければ、主は楽しく生き長らえ、年金暮らしとかしていたでしょうに。

それに、主と関わりのあった方々もつらい気持ちでいらっしゃるかも知れません。私は煩悩の数ほどの主の命を奪い、その煩悩に苦しめられています」

クッチはピストルに同情しながらも「ピストルさんは暴発とかしたわけじゃあないのでしょう?

最後に決断を下したのは主なんですよ、モノがそんな風に悩むなんてオカシイわ、疲れて考えすぎているだけじゃないかな?」と慰めた。

続く。