クッチは頭に血が上り、バーの言葉を無視して家を飛び出した。
「もしかして、私、プレ更年期?!」
不安を胸に、クッチは次の冒険地であるドリームランドへ向かうべく、牙駅のバス停で時刻表を確認した。
「冒険のハズなんだけど……バス、一時間に12本も出てるんだ……しかも乗車時間30分!??」
拍子抜けしたクッチは、今回の冒険が日帰り旅になるなと思った。
「旅行の締めは温泉だよね。時間あったら、日帰り温泉寄って行きたーい!一風呂浴びてリフレッシュ…ドリームランドは海に近いから泉質は
塩化物泉かな?ピーピー村では寒い事が多かったから今回はクッチ、チェックのタオルを事前チェック?………オオッ寒い!」
凍えるような寒さに身を縮ませながら、クッチはバスを待つ。ドリームランドへの冒険は、想像以上に厳しいものになりそうだ。
クッチは不覚にもバスの中で、うたた寝してしまった。バスはドリームランドに到着し、そこに巨大な影が現れた。
影は寝ているクッチを見て「へぇー、これは上モノかもしれねぇな、ラッキーだぜ」と黄色い歯をむき出しにしてニヤリとし、寝ているクッチを抱き上げバスから降りた。
そしてバスの外で待っていたもう一つの影にクッチを見せた。もう一つの影は顔をしかめて
「お前、そいつをどうしようって言うんだ?俺達の仕事はドリームランドに役立たずのモノたちを捨てるだけだぜ、それを持ち出しちゃあ、仕事を失うかもな。お前、借金あるんだろ」
クッチを抱えていた影はお前、コイツの良さが分かんねいのか?コイツは高く売れるかもしれねぇ、まだ、現役っぽいじゃないか………」と言ったが、
それを聞いたもう一つの影は、彼に捨てるような仕草をした。影は舌打ちしてクッチを高い塀に囲まれたドリームランドへ放り投げた。
続く。