屁ーコックはその場で土下座し「すみませんでした。私はあなたのお母さんが良い人であるのに甘えて、お家に度々お邪魔していました。

その時も私は我慢できず、ブーブーしていましたが、あなたのお母さんは、屁の河童で気に留めもしなかったのです。

それが積み重なって、ガスは寝室に吹き溜まっていたのでしょう。最後にお邪魔した日など、私はおどけて、ヘ長調、屁ー蝶ーよ、なんて言いながら花は咲くを屁で演奏しました。


そんな私の演奏にさえ、涙を見せてくれた方でした。私のような煙のような存在のモノにさえ

あなたのお母さんは、便トレーが心配だなんて、相談してくれました。私、人に笑われ嫌われることはあっても、頼りにされる事なんてなかったから本当に嬉しかった。

だから私は、岩食いのハニヤスにあなたの事を頼みに行ったのです。私は私の危険性を自覚していなかったので事故は起こったのです。謝っても謝っても私の罪は消えません。

あなたのお母さんは静電気帯電した化繊の毛布に包まれていたので充満していたガスが誘電され爆発した事が原因であって、便トレーさんにはなんの責任もありません。」


便トレーは目をカッと開いて「そうじゃねぇ、火だるまになったお袋を置き去りにして、逃げた俺の心は救いがたいんだ」

屁ーコックはその言葉を聞いて涙し、途方に暮れた。スーピースーピーと、屁も出た。

続く。