②会社から一ヶ月の休職を言い渡され、さすがにこの事態に腐ったクッチ。昼夜逆転が始まってしまった。


そうした生活の中で、自分を責めるようになり食欲を失い、睡眠もままならない状態となり、バッグのクッチは自分が空っぽと感じた。(それはその通りではあるけれど)

耳鳴りという新たな症状も現れ、このままではいけないという危機感を抱いた彼女は、自律神経失調症を調べて、早朝散歩を取り入れることに決めた。

朝の公園は、まだ人通りが少なく、木々の葉が風に揺れる音だけが聞こえた。クッチは、朝日が差し込むベンチに座り、深呼吸をすると、

プチ不調が徐々に消えていくのを感じた。彼女は鼻歌混じりで歩き始め、そこで

腰のあたりをくの字に折られた爪楊枝婆ーがゴミ拾いハサミでゴミを拾い歩いているのを見た。


爪楊枝婆ーの脇にはパンパンに膨らんだゴミ袋。クッチはさぞやゴミ袋は重いだろうと思い、「ゴミ集積場まで運びましょうか」とゴミ袋を指さし声をかけた。

爪楊枝婆ーはくの字に曲がった腰を伸ばす仕草はしたけれど腰は伸びず「あら、ありがとう。助かります」と、笑った。

クッチは爪楊枝婆ーからゴミ袋を受け取り、二人は並んでゴミ集積場へ歩いた。爪楊枝婆ーはクッチに

「最近は腰が痛くて、ゴミを捨てるのも大変なのよ。あなたみたいに親切な人がいて助かるわ」と言った。

クッチは、「いえいえ、こちらこそです。このくらいのゴミ袋に、私、対応できちゃいます。何かお手伝いできることがあれば、いつでも言ってくださいね。」と笑顔。
爪楊枝婆ーは「へっー、あなたはスリムに見えるのにやるわね!」と感心した。

続く。