ゴムゴムは頭を缶の壁にボョ〜ンボョ〜ンと弾ませて、ニヤニヤした。

あれかぁ〜
あれは、仕方なかったよ。
だって、ボールペン…ボールペンで書いた文字を僕は消せやしないよ。


なのに主ったら、僕を掴んで思いっきり、ボールペンで汚れたコピー用紙に押し付けたんだ。僕も、若かったからね、張り切って、何とかしなくてはとパニくってさ、

消し消し消し〜と、力が入りすぎて、僕の頭の一部ももげて吹っ飛んだけど、コピー用紙ったら、ベリッと、破けたね。

ごめんね〜と言ったら、破れ顔の恨みがましさったらなかったよ。ギロッ〜と、にらんでさ…あ〜今、思い出しても寒気のする顔だったな。アハハ…

君、笑い事じゃないよ、コピー用紙さんは燃やされて君を恨んで怨念にでもなったんじゃないかい?それでこうなったかも…チビ太は身を硬くして、ブルッと震えた。

イヤイヤイヤ〜最近は再生の時代だから、再生されて心機一転、頑張ってると思うな。

ゴムゴムは天真爛漫に笑う。

ならいいけどね、あっ、ガタガタ音がするね、主のご帰還だよ。チビ太は耳を澄ませてそう言い、続けて

主、僕らのことを思い出して、使ってくれたら良いのだけれど、僕らは主からどんなに冷たい仕打ちを受けても主を愛することしか知らないんだから…寂しいね。とションボリ顔。


二人は暗闇で瞳を見合わせた。