ワタシは神です。ある時、消しゴムのゴムゴムにビリッと破かれ、再生紙への3度目の挑戦に失敗し、ゴミ箱行きとなり、夢は破れました。


ゴミ扱いでも分別されていたら、まだ希望を抱けたのですが、焼却場で火葬に。この世にまだワタシ自身が未練を持っていたのか?

怨念から神となり、文字書き換えのフォースを身につけこの世をフワフワとさまようことになってしまいました。

神は怨念…あゝスイマセン!!生前が紙なもので、ペラペラとつい余計なことを口走ってしまうのが悪い癖。

そんなにワタシはしつこいとか、こだわっているとか、ゴムゴムを恨んでいるってことではないんですがね、何故かゴムゴムに引き寄せられて、常に彼の周りをさまよっているんです。後ろ髪を引かれるような思いがして…アレ?紙違い?


どうせ行けるならワタシは同族の紙たちのところへ行って、死んじゃったよ〜、モノたちの憧れ奈良の正倉院へも、再生工場の展示物にもなれず、燃やされちゃた。

もっと再生されて、色んな文字たちを見たかったよと、愚痴の一つもこぼしたいんです。


でも、神だからってそんな自由行動は許されません。上には上があるのが世の常。ワタシがゴムゴムに引き寄せられてへばり付いているのもそれが理由でしょう。

しかも、ゴムゴムとワタシとでは同じ文房具属とはいえ別々の種族だから、言葉やコミュニケーションも異なって文句を言うのも一苦労です。

だからそんなにたくさん恨み言は言えやしません…

でも、今はこうしてたくさん時間がありますから、消しゴム語の勉強でもして、恨みつらみ、呪いの言葉ばかりを、神懸かり的なスピードで覚えてみるか…アッこれも違うか!!

ヤッパ、シツコイですって?あなたねぇ、再生されないコピー用紙の無念をあなたが知らないからそう思うんですよ!!

フッフッ…でも、ゴムゴムの奴、ワタシを破ったバチが当たって、ここ10年は引き出しの菓子缶の中。

今や役立たずの隠居暮らし。今日もまた、同じ繰り言を言いますから、聞いてご覧なさいな。