彼とイルマンと村長は、ホテルの一室ですき焼きを楽しんでいます。
すき焼きをほとんど食べ終えたところで彼は鍋に水を注ぎ、餅を加えました。
鍋の中は、グツグツと煮えたぎり、餅は溶けて泡立ちマグマのようにも見えました。彼は、良い感じに煮えたと得意げな笑みを浮かべ、すき焼きを皆の椀に注ぎました。
すき焼きの締めの椀を見たイルマンは、
「餅は溶けて姿を消しちゃったね。まるでポタージュみたいになってるウパー」と言い、村長も
「珍しい締めですね」と言いました。彼は自信満々に
「これを飲んだら、すき焼きよりも締めが好き焼きーになるよ。アチゲータだから気を付けて飲んでね」と、七味をふりかけながら言いました。
一口飲んだイルマンは笑顔で「ふぅーん、悪くないウパー、こんなに美味しい御馳走のあとは、サイホーンで淹れた珈琲を飲みたくなるね」と言い、村長も「熱々で体が温まるよ。君はすき焼き王子なのかい?」と笑顔。
「美味しいね、楽しいね。バイウールーったら、遅くなるかもしれないから食べててなんて言っちゃって、
本当に帰ってこないなんてさ。次はいつ食べられるか分からないのに、惜しいことしたね」と彼は汁をこぼしながら言いました。
「バイウールーさんにお友達が居ると聞いて安心しましたよ、バイウールーさん、まぁ、あのような姿になってしまって、時々、怖い顔をされていたので気になっていました」とイルマンは言いました。
村長も箸を止めて「本当にそうですね。このゼクロムロシティで知り合いと会えるなんて、素晴らしい御都合主義です。
とまれ、私も偶然会ったのがGO GOとと聞いて、ホッとしています。彼らは幼馴染ですから」と言いました。
彼らがバイウールーの話をしていると噂をすれば影で、部屋にノックの音がしました。彼が出てみるとそこには身長170センチメートル標準体重より20キログラムオーバーしているGO GOとが立っていました。
「夜分遅くに申し訳ありませんが、私はGO GOとと申します」と、礼儀正しく挨拶しました。
彼は「アッ、ちょっと待って」と言って、村長を呼びました。
続く。