バイウールーは独り静かに部屋に入ると内側から鍵を掛けました。室内は薄暗く、ワンパチンコは膝を抱えてうずくまっています。

バイウールーは近くによって「久しぶりですね、少し痩せましたか?僕は、プクリンナさんにお会いしたいんですよ、ご覧の通りの激ゾンビ姿では生きづらいですから」と言いました。

ワンパチンコは顔を上げ、小首をかしげて「プクリンナ?プクリンナは居ませんよ」

「居ないって、何処か他の所へでも行かれたのですか?」

「他と言えば他ですよ。死んで、生きている者は行かれない所に旅立ったんです。それが、魔法の力を失った彼の希望でしたから」

「じゃあ、彼は自殺を」

「いえ、そんな苦しみは、私を助けてくれたプクリンナに味合わせるわけには行きません。日々、彼は鬱々としている自分に疲れ果てて居たので、お力沿いしました」

「それは病気でしょう?どうしてあなたは先読みして勝手なことをするんです?そしてあなたは、あなた自身も不幸にしています。あなたは思考を停止させ簡単な方法に飛びついているだけですよ」

「私は無学な女です。私はいつだって、私の出来る事をするだけの話し。ゾンビを生かしておかないことも最善の策だと思っています」そう言って彼女はサッと立ち上がり、バイウールーの首を締めようと襲ってきました。

バイウールーはもはや自分に望みのないことが知れると、心の糸がぷつりと切れて、激ゾンビのカイリキーでワンパチンコの腕を締め上げ、


瞳に唇をつけると、ズルズルと彼女の瞳をすすり、強い吸引力ですすっていると、視神経の束が引きずり出され、延髄、小脳、中脳、大脳と続きました。

引きずり出された脳は白子のような搗きたての餅のようでしたが、味は生卵の白身をズルズルとすすったようで少し生臭い感じでしたがほぼ無味でした。

ワンパチンコの体はグニャリとなり、その脳味噌が空っぽになったなと感じると、いつになくバイウールーは元気がムクムクと蘇ってくる感じがしました。

彼は、深呼吸してグッと意識を集中し、正気の自分を呼び戻し内鍵を開けました。扉の外で銃を構えていたGO GOとはためらうことなく銃を撃ちました。

バイウールーはGO GOとの瞳の中に慈悲の光が宿っているのを感じて、帰ろう、もう村にカイロスねと思いながら亡くなりました。



暗く寂しい街外れの廃工場にパンっと、乾いた音が響きました。

続く。