傭兵は職業柄、ギモーンに疑問ありと直感しましたが、自分は最低賃金で雇われていて、面倒な事は避けたいな、何なら、辞めたいなと思っていたので、他の連中に見つからないで村に帰れるルートを、教えてやりました。

その間もギモーンは「村長火あぶり、村長コンガリ、村長ウエルダン」と、うわ言のように繰り返すので、傭兵はこれは扱いにコラッタなと思いました。


その光景を見届けた彼と、イルマン、ワンパチン子はスッとまた、元の場所に戻っていました。

彼は「謎解きの面倒がなくなって良かったけど、倍売ーるーが亡くなったなんてさ、しんみりしちゃうよ」と言いました。

イルマンも寂しげに「私たちはなんにもしてあげられなかったウパ、村長に励まされて希望を取り戻しつつあったのに………」それを聞いてワンパチン子は

「取り戻した希望が泡沫のように消え去るなんてね……でも、希望もなく生きるより良かったの?

生きるって生ヌルくないわね。誰も明日のことは分からないけど、せめて希望を持って生きたい」と、ため息混じりに、言いました。


その時、ワンパチン子のスマホが鳴り、彼女は誰かとヒソヒソ話しを終えたあと「ゴメンナサイ、急用が出来たわ、遺体が倍売ーるーと分かったことだし、今日はこれで失礼させて……」と、両手を合わせて謝るテブリムをしました。




続く。