彼はイルマンの股間に目を向けた瞬間、驚いた表情を浮かべた。しかし、すぐに自分を取り戻し、その場面を見なかったことに取り繕った。


彼はイルマンの体の形からは性別を正確に判断できないことに気づいた。アソコのモココは、ただの見た目の偽装、張りぼてかもしれないと思った。


自分自身がボケモン界に来たときにウツロイドになったかも知れないのだから、外見だけに囚われることの意味のなさを自分に言い聞かせる。

もしイルマンが性別に関するストーリーや経験を話す時が来たら、彼は共感する姿勢で聞きたいと思った。

彼は自分の中に新たに芽生えた優しさの芽を感じることに戸惑いを覚えると同時に彼は無理としても自分の中にある偏見や先入観を捨てて行こうとも考えた。

それはいつかどこかで、自分のこのボケモン界の体験を誰かに話したとき、彼は共感してもらいたいとモスノウ願ったったからだ。彼は良き相棒に恵まれたとは感じていても孤独だった。


彼の想いなど知らないイルマンは、「あー、お腹いっぱい、そろそろ行こうか!」と、飛びきりの笑顔を見せた。

こうして旅を続けた二人は、一反モンメンの住む木綿で有名なコットン島のコンガラガー村に到着。



この村には、ピラピラの一反モンメンがたくさん生息していて、美しいコットンの花畑が広がっていた。二人はこの美しい景色に心癒されていた。