この曲はディランというより全てのロックの曲の中で一番好きだ。

早期退職し、世間に放り出された時に頭の中で鳴り響いていたのはこの曲だった。
子供の頃は親に、学生の頃は学校に、社会人になってからは会社に守り続けて来た私が初めて世間と対峙したのだ。
川底で苔だらけだった石が再び転がり始めた。
I  Stsnd Alone。
現実と向き合うヒリヒリした感覚が堪らなかった。
不思議な事に将来への不安は全くなかった。
もう10年以上も前の話である。

ディランは胡散臭い男だがこの曲は本物である。
全てを失った時にこそ心に響く曲。
このライブは何時の時代のものだろうか。
「偉大なる復活」でバンドと共演しているが、その時は崩して歌っており、何の曲だか分からないかったが、このライブは比較的に原曲に忠実に歌っている。



しかしここでのディランは無茶苦茶激しい。
感情を叩き付けている。
レコードよりも遥かにロックしている。
私にとってディランはフォークシンガーではなくロックミュージシャンなのである。