ヤフオクを見ていたら面白い物が目に止まった。

漆職人が使っていた小さな作業台が2点出品されていたのである。

小さいが晩酌の膳に使えそうである。
素寒貧の落穂拾いはこんな物を買わなければ一体何を買うというのか。
味の良い方に的を絞り入札。
誰も札を入れないかと思っていたが、見る人は見ているのである。
物好きか目利きのどちらか。
何とか振り切って落札。
ただ同然という訳には行かなかった。
もう一つ出品されていた作業台の倍以上の音が付いた。
それでも落札出来て良かった。

後日、物が届いた。

思っていた以上に小さい。
しかしその小ささが良い。
徳利と杯、それと小鉢が辛うじてのるスペース。
酒の肴が一品か二品の私の晩酌にはぴったりではないか。


表面は漆で汚れている。
長年使い続けて来たのだろう。
最近は新品のジーンズを漁師や作業員に履かせて高く売るという商売があるそうだ。
やはり人工的に汚したものとは違った味が出るからであろう。
この作業台はもっと長い年月使用されたものである。
良い買物をしたようだ。

この作業台で酒を呑むのが愉しみだ。

最近は日本酒を呑む機会が減っているがウイスキーでも良いではないか。


この歳になると高価な骨董には興味がない、
時代も気にしなくなった。
自分の目で見て気に入ったものだけを身辺に置きたい。
もう世間の評価などどうでも良いのである、