小田原百貨店でカティサークを見つけた。
湯河原ではあまり売っていないので買って帰る事にした。
逗子に住んでいた頃にはスーパーOKで安売りをしていたのでカティサークとホワイトホースを漫然と呑んでいたものである。
カティサークというと思い出がある。
私は若い頃は飛行機が大嫌いで、東京から帯広まで寝台特急で帰ったものである。
青森からは青函連絡船。


船の中ではあらまき弁当か海峡ラーメンで腹ごしらえ。
正直、あまり旨くなかった記憶がある。
そして食後には生意気に船内にあるバーで一杯やるのである。
確か「バー海峡」だったか。

ウイスキーはカティサークの水割り。

肴は鮭のルイベである。
当時はスコッチが高かった。
学生の頃の私の夢は就職したらタンノイのスピーカーをマッキントッシュのアンプで鳴らし、スコッチを呑みながら聴く事。
今ではホワイトホースなどドンキホーテへ行けば700円台で買えてしまう。

カティサークは日本に進出して40年だそうだ。

確か有名女優のポスターがおまけだった記憶がある。
学生の私には手が届かないほど高かった。
カティサークは村上春樹の小説やエッセイに頻繁に出て来る。



「像の工場」の中のカティサクという文章を呑むとカティサークが無性に呑みたくなったものである。

そのカティサークを試飲してみよう。
匂いはアルコール臭がするだけ。

一口いただく。
やはりアルコールの刺激が強い。
甘さも感じられるのだが、アルコールの刺激に支配されてしまっている。
旨くない。
もっとカティサークはソフトな印象があったのだが。
これならバランタインファインネストやホワイトホースに遠く及ばない。
水割りにしてみたら、何時も呑んでいたカティサークの味になっている。
この酒は水割りかハイボール用ではないのか。
少なくてもストレートで味わう酒ではないと思った。
原酒のマッカランの比率を下げた事も影響してるのだろうか。
昔の方が旨かった気がする。

カティサークは私のデイリーウイスキーには選ばれなかった。

バランタインファインネストとホワイトホースの牙城はなかなか崩せないのである。