クイーンの自伝映画「ボフミアン・ラプソディ」が大ヒットしているらしい。
評論家の評価が低かったこの映画が大ヒットした事は、デビュー当時プレスに叩かれながらも、世界的なバンドに成長して行ったクイーンらしいと思わずにはいられない。
この映画ではライブ・エイドのライブが忠実に再現されているという。
ライブ・エイドは「ブームタウン・ラッツ」のリーダー「ホブ・ゲルドフ」がアフリカの飢饉を救うために1985年に催された大イベント。
イギリスとアメリカで開催されたが、イギリスではロンドン郊外のウェンブリー・スタジアムで行われた。
このイベントは全世界に中継され、私は深夜であったが、テレビの中継でリアルタイムに見る事が出来た。
印象に残っているのはU2とクイーン。
ボノが学ランに学生帽という日本の中学生のような出で立ちで登場したのに驚いたのだが、サンデー・ブラディ・サンデーの凄まじいパーフォーマンには、更に驚かされたものである。
当時のクイーンは人気が低迷し、解散すら噂されていた。
そんな中でのステージ。
短縮された曲があったものの、参加メンバー最多の6曲を披露。
過去のバントという印象を完全に払拭してしまったのである。
つくづくフレデイというのは大したパフォーマーだと思わざるを得ない。
やはりフレディはカリスマなのである。
ブライアン・メイも「フレディはああいう、大切な時に本領を発揮する」と舌を巻いている。
このコンサートがあった事により、この後のクイーンがあったのだと思う。
「ボフェミアン・ラプソディ」のクライマックスがこのライブ・エイドの再現なのだが、クイーンというバンドのクライマックスもこのライブだったのだ。
クイーンの最後のライブパフォーマンスはこの翌年1986年ネブワース公園で30万人を集めて行われた。
これ以降、エイズを発症したフレディはレコーディンクは行うものの、コンサートを行う事はなかった。
完璧なパフォーマンスを披露出来なければ、ステージには決して立たないというパフォーマーとしての矜持の表れだったのだと今なら理解出来る。