団伊玖磨は「沢山食べられるお菓子は、だから、上等で無いものに限る、金平糖、氷砂糖、赤く染めた鯛煎餅、そしておこしの類などはその意味で、何だか訳が判らない程に懐かしくて、懐かしいながせ余りおいしくないところから、沢山食べられて、良いものである」と語っている。
旨過ぎる物は常用するのは困難である。
スペシャルな物が日常化してしまう事の悲劇。
それはスペシャルがスベシャルでなくなってしまうという事。
内田百間は到来物に良い酒を貰っても、旨過ぎると料理酒に使ったりしたという。
団はその菓子の趣向からも育ちの良さを伺い知る事が出来る。