EVEです。

前回からのブログ の続きになります。

行きつけのディーラーから

「EVEさん、
 そろそろシトロエンC6の足回りが組みあがるから
 見に来ない?」

というので、
いそいそとディーラーへ。

すると電話の通り
ちょうど組みあがるところでした。



これがヘタった
あの複雑怪奇なダブルウィッシュボーンの
ピポッドアームのパーツであります。



このゴムブッシュの部分が経年劣化で
アルミ部分が剥き出しになり、
受けの部分のスイベルピンにゴツゴツ当たって
大きな異音を発生させていたのでした。



ということで無事交換が終わり、
それでは試運転に行ってみましょう。



おお!
異音がしなくなりましたね。

乗り心地も滑らかになったような・・・

しかし、
そのまま帰宅したものの、



どうもステアリングと足回りの調整がイマイチであります。



やはりディーラーのサイドスリップ調整だけでは
満足できるハイドロ走行は得られませんね。

というわけで、
行きつけのショップでアライメント調整を。



足回りのパーツを交換したら
アライメント調整は必須であります。 (^^)v

特にハイドロは神経質ですからね、
ドライバーが乗車しながらの調整になります。

さて、
足回りが完璧になったら、
目立って気になって来たのが
ミッションの不具合であります。



現在走行距離は17万kmなのですが、
一度15万kmでショックが大きくなりかけたので
ATF交換しているんですよね。

ちなみにミッションはアイシン製の6速ATで、
メーカーはATFは交換不要と謳っております。



しかしまあ、
いくらメーカーがATF無交換を奨励しても、
オイルの劣化は当たり前なんですよね。

しかも、
およそ日本の渋滞の多い交通事情ではさもありなん。

というわけで交換したわけなのですが、
ところがATFを交換してしばらくしたら、
油温が上がると2~3速の変則時に
キックダウンのような衝撃と
空ぶかしのような症状が頻発するようになりました。

おいおいマジか?!

日本製だぞ、
しかもトヨタの関連会社で
トヨタ車も採用している
一番信頼性の高いアイシン製だぞ!



すると、
その筋の関係で詳しい友人が
助言してくれました。

アイシンAWの欧州向けFF用ATとして
TF-60/70/80シリーズを
プジョーやシトロエン、アウディやランドローバー向けに販売していますが、



実はコレ、
トヨタ向けのFF用ATとコンセプトもギア構成も異なり、
欧州メーカー向け専用の完全別モノとして、
MTギアボックスと同等のスペースに入るよう全長も切り詰めて
開発されているとのこと。

ちなみに、
トヨタ向けのFF用ATは
TM-60という形式で全長約380mmだで、
それをだいたい全長360mmまで切り詰めた設計だそう。

内部の作動油圧も
1.2MPa程度だったのを1.6MPaと高くして
摩擦材の枚数を削減するなど結構攻めた設計で、
変速所要時間をできるだけタイトにし
ある程度のシフトショックは発生させる想定での設計になっているそうです。



これは想像なのですが、、
欧州向けATは発進時のトルク不足を瞬間的にトルコンで補い、
エンジンがトルクを出すようになったら
できるだけ早くロックアップさせダイレクトに繋ぐような制御をして
トルコンには負荷を掛けないようにしているとのことですが、
あの悪名高いフランスで共同開発されたAL4にもあるように、
もしかしたらこの欧州用アイシン6速も
あまりトルコンを積極的に使うような設定になっていないのではないかと。

日本のように低速のゴーストップが多いと
設計想定以上にトルコンが使用されるため
ATFの温度が上昇してしまって作動油圧が低下、
その状態で強引にシフトソレノイドなどを動かすことになって、
結果、
トラブルにつながっているのでは?



そのようなATに対するスタンスの違いと、
設計の詰めすぎで機械的なマージンが少ない状態に加えて、
日本での使用パターンと高温多湿の状況のトリプル攻撃で
このようなトラブルにつながっているのかもしれないですね。

まあ要するに、
ところ変われば品変わる、
ってことですね、同じアイシン6速でも。

まあ、
強引な纏め方ですが・・・ (^^;

そうそう、
ところでミッションの機械的マージンで思い出したのですが、
長年私の愛車だったプジョー505。



そのミッションがZF製のFR用ミッションだったのですが、
これがまた巨大なトラックのようなミッションで、



30万km超えてもビクともしない鬼のような頑丈さでしたよ。

大型自家用車のFRなので機械的なマージンに余裕が取れ、
まさに理想的な設計が出来たところによることが大きかったのでしょう。

それに対し、
六本木のカローラと呼ばれたBMWのE30。



そのE30に載せられていたのも
同じZF製のFR用だったのですが、
こちらは色々とトラブルがありました。

プジョー505に対して小型のBMWのE30だったので、
ミッションの設計にも制限が多く、
機械的マージンが少なかったのでしょう。

今回のアイシン6速と同じ理論ですね。

まあ、そのせいで
ZF製のミッションは壊れるという汚名が
当時は広まってしまったのですが、
実際私のプジョー505には全く当てはまらない情報でした。

それよりも、
先程ちょっと触れたAL4のミッションの方が
よほど不満がありましたよ。

AL4とはというと、
他国の自動車メーカーよりAT開発に遅れを取っていたフランス、
そのフランス政府の肝いりで、
プジョー、シトロエン、ルノー、シーメンスが共同開発した4速ATでありますが、



これがまた本当に良く壊れる!!

1990年代後半の306から208や308まで長年に渡り採用されてるATで、
私も代車で良くお借りしたのですが、



いつも不具合が発生しました。



まあ、
各ギアをしっかり回して繋ぐので
MTのような感覚で乗れるのは良いのですが、
困ったのは、
時々ズドン!という凄まじい衝撃とともに
3速固定になってしまうのです!!



いやー!
あれは怖い!!

あの凄まじい衝撃は
後ろから大型トラックに追突されたような
そんな衝撃ですから!!

もうあんな経験はイヤなので、
このクルマはAL4搭載と聞くとビクッとしてしまうのですが、(^^;
まあ、
そんなAL4に比べたら、
アイシン6速のシフトショック異常はまだ優しい方かな。

でも、
このまま乗り続けるのも苦痛なので、
結局バルブボディを発注することにしました。



オーバーホールという手もあったのですが、
手間がかかる割には再発しないという保証はないし、
実際1年で再発したという事例もあるし。

かといって、
ミッション一式交換なら百万円以上かかるし、
まあ、
バルブボディが一番良いかな、と。

しかし、
こうなった今でこそ
アイシンが奨励していたATF無交換という意味が
分かったような気がします。

10万kmあたりで下手にATF交換すると、
やはりバルブが詰まっちゃうんですよね。



もしATFを交換するんだったら、
2~3万kmごとにマメに交換しなければなりません。

しかしそれでは手間と維持費が馬鹿になりませんからね。

その維持費を考えたら、
無交換で突っ切って、
もし何かあったらバルブボディ交換すれば良い。

その方が結果的にお金が掛からないかも、
ってことです。

まあ、
私はATFを交換して酷くなってしまい、
結局バルブボディまで交換する羽目になってしまったので、
高い授業料を支払ったってことになってしまったわけですが・・・(^^;

しかし、
シトロエンC6の悲劇は
これでまだ終わりではなかったのです。

まだまだ新たなトラブルは続きます。


・・・・・・・・・・・つづく