右手にリリ子(豆柴1歳女子)と左手に迷子の大型犬。
迷子の大型犬は結構おじいちゃんに見えた。
毛並みもバサバサしてるし、皮膚も薄く見えてる箇所も。
それでも果敢な小娘がガウガウいくとウー!と吠えて応酬しようとする。
危険危険。
思わず保護したもののこの状態(両者をわたしの腕が伸びる最大限で引き離し中)で家まで帰るのは不可能。
ああ、私が怪物くんだったら腕がもっと伸びただろうに…
(腕が伸びる=怪物くんというところに時代を感じる。今の子はワンピースのルフィ?)
そしたら家に連れて帰って警察と保健所に連絡して…
チップが入っていればいいけどこの歳だと入っていないかもなあ…
飼い主が見つからない場合保健所…はかわいそうだからうちで引き取るしかないか…
おうちの人も突然いなくなってて心配しているだろうなあ…
リリ子がいなくなったら心配でたまらない。
見つけてあげたい…帰してあげたいなあ…
大型犬の行動範囲って確か広いんだよね…見つかるかなあ…
なんてことを考えながらどうやって帰ろうか逡巡していると…
「あの…大丈夫ですか? おたくの子?」
騒動をみかけてくれたのか初老のご夫婦が声をかけてくれた。
違います
顛末を話すとおうちが近くだとかでロープを持ってきてくれた。
わたしはリリ子をそのご夫婦に預かってもらい、大型犬の首輪にそのロープを通して縛った。
ヨシ、これでヨシ。
さて、どうしようか。
大型犬は結構な力で引っ張ってくる。
リリ子とは違う力の強さを感じる…
リリ子はお父さん(ご夫婦)の足元で大型犬を警戒しながらも落ち着いた様子。
そうして3人で話をしていると、そのお父さんが「あっちの方角から来た気がする」と言う。
お母さんも「何度か犬を保護したこともあるし、うちのほうが近いのでうちで預かりましょうか」と言う。
え、いいんですか。
車道を渡らないといけないし、犬の力も強いのでわたしがお母さんと一緒にご夫婦の家まで連れていき、庭先のポールにロープの先をきつく縛る。
あとは警察にも保健所にも連絡をしてくれるということなので、お言葉に甘えてお任せすることにした。
元いた場所に戻るとリリ子がしっぽを振ってお父さんと待っていた。
おお、おりこうさんだったね!
びっくりしたね、心配だったね。
再びリリ子と散歩に戻ったものの、
なんだか疲れた
続きます。