1年半前の出産の話を。
39週3日での出産になりました。しかも安産だって。
5日の夕方健診があって、子宮口が3cm開いてるって言われたのでそろそろかな~と思ってました。
おしるしらしきものも前回の健診からあったし(内診時の出血かと思ってたけど)。
健診後、実家でご飯を食べ、お風呂までいただくことに。
家で入ると寒いしラッキー、くらいに思ってました。
思えばこのときから陣痛らしきものはあったかも。
前駆陣痛だと思ってたけど本番に向けてのカウントダウンだったのね。
お腹が張るような感じが強くあって、でも引いていって、
お風呂に入ってる間もまたお腹が痛くなって引いていって、
お風呂から出るときもまた痛くなってきたのでまた湯船に入りなおして。
痛みが引いたので急いで出て髪の毛を乾かしつつオットのお迎えを待っていると、また痛くなってきて…
陣痛…とは思ってませんでした。お腹が張っていたいんだと。
痛みも不規則だったし、感覚もわかんないし。
でもこれ、陣痛だったんです。分娩の第1期スタートでした。
念のため時間を計ったら10分~13分ごとに痛い。
でも痛いのって30秒も続かない。陣痛ってもっと痛いもんだよね?
こんなん陣痛じゃないよねー…と痛みが怖いので最大限に痛いところへ予想をもっていき自分をごまかす。
痛みが引いたところで家に戻るも、やっぱり痛い。
時間の間隔も短く。時計は夜11時。…日付が変わってから病院電話してみよう。
そう決めてオットと二人で待ってみるが、痛みが不規則でやっぱりわからない。
日付が変わって痛みもよくわからなくなってきたので寝ることに。
とりあえず朝になってから考えようと思ってベッドへ入るも、
2時頃どうしても痛くなって目が覚め、時間を計ると7分くらいごとに90秒の痛さ。
これは陣痛かもしれない(ようやく認める)。
3時に病院へ電話し、4時に入院。
LDR室(陣痛・分娩・回復を同じ部屋で行う)に通され、子宮口を確認するとなんと5cm!10cmまで半分じゃん!
助産師さんに
「寝ててもお産は進まないからねー」
と無茶言われつつ室内を歩いたりベッドを上がったり下がったり。
痛みにはヨガの呼吸(やっといてよかった!)やオットに腰ツボ圧迫してもらって耐えるものの、
迫り来る陣痛の波。
短くなる無痛の時間と長くなる陣痛の痛さと眠さで意識朦朧。
「ウンチをしたい感覚になったら教えてね」と助産師さんに言われており、
どうにもいきみたくなってきたので伝えると、子宮口は9.5cmに。
出したいと思ったのはウンチじゃなく赤ちゃんの頭か!!
「もういきんでいいよ~」と言われ何度か陣痛に合わせて力を入れると、
「バシャッ!!」という音。破水でした。
カーテンからは朝の光がうっすらと見えてきた7時半。
いよいよ第2期のスタート。
こっからが長かった…。
赤ちゃんの頭が恥骨を通る排臨というのがあるんですが、
赤ちゃんの頭が子宮口から見え隠れするもなかなか降りてこない。
陣痛の痛みの中足を持ち上げられベッドの上で右になったり左になったり。
それでも赤ちゃんが降りてこないのでベッドから降りてスクワットさせられたり和式トイレのようにしゃがまされたり…
陣痛の波なんかもうよくわからんくなり果てしない痛みだけが感覚を支配する2時間半。
この間にマミー(実母)登場。
後日談「ベッドの隣でしゃがんでるのを見たとき、すごい格好で産むのね!てびっくりしたわ」
ええ、わたしもびっくりやわ。まさか陣痛中にスクワットさせられるとは。
そして気づくとベッドの上でいろんな人に囲まれていた。
助産師さんが足元に。右側に院長先生。
左側に看護師さん、枕元にマミー、その隣でわたしの手を握るオット。
「赤ちゃん見えてきたよ!」と励まされ、
何度も「あと少しだよ! 最後だよ!」とウソをつかれ(笑)、
10時6分発露(頭が出る)。
そしてここでわたしは力尽き。陣痛も微弱陣痛に。
陣痛が来ないのでいきめない。いきめないので赤ちゃんが出ない。
股に赤ちゃんの頭を挟んだまま数分が過ぎ。
ちなみに31cmの頭を挟んだままなので出口である膣口だか外陰部はめちゃくちゃ痛い。
「痛い!無理!!無理ー!!」
と叫びながらそれでも最後の力を振り絞り、みんなの声を頼りに無我夢中で食いしばり…
10時16分。なにかが自分から産み落とされ、元気な赤ちゃんの声が。
終わった…
終わらんかと思った。痛みが永遠かと。もうどうしようかと。
産まれたばかりの子をのっけられたのが先か、
オットが臍帯を切ったのが先か、
よく覚えてないけど、産んだ…という気持ちでいっぱい。
感動して泣くかと思ったけど残痛でそれどころではなかった(笑)
その後は第3期の後産やら検査やらなんやら。
痛いと聞いていた会陰切開もなかったし、
ちょっと膣口を3箇所縫われた程度で終わった。
しばらくはそのままで過ごすのでベッドに横たわっていると、姫が包まれてやってきた。
小さな彼女を抱きかかえてしばらく眠る。至福の安堵感。
9ヶ月一緒にいたのは君だったのか。
わたしの中にいたのは君だったのか。
わたしをママに選んでくれてありがとう。
無事に生まれてくれてありがとう。
これからずっとよろしくね。