久々に言葉を交わした「あの人」は不機嫌だった。

顔を見た瞬間分かった。

「機嫌の悪い理由」が口から流れる。

結局は「あの人」の想いを止められなかった自分の行動の結果だった。

何度も同じ失敗をしている。

自己嫌悪に陥りながらもなんとか会話を繋げようと辿々しく言葉が宙を舞う。
受け取ってもらえない想いが冷えて空気に溶ける。

「そう」なってしまうとしばらく変えられない「あの人」から短くも深い溝を作りながら「拒絶」をする。
見える、触れられる目の前にいるのに一歩前には底の見えない亀裂を持ってまるで「入り込むな」と言わんばかりに。

近づけない。
追いたい足が鉛の様に重くなる。
踏み込めない、動けない。

離れていく背中を目に諦めるしか無かった。

感情という心が握りつぶされそうになるのを堪えて。

心が読めたら良いのに。