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母の彼氏の鈴木さんに癌が見つかった。
その癌は膵臓癌で、
発見された時には既に末期で手遅れ…
そして病気の発覚からわずか1年で鈴木さんは亡くなってしまう…
私は母が可哀想で一緒に鈴木さんのお葬式に参列することにした。
葬儀場に着くと入口には、
『故人の想い出』とタイトルがつけられたフォトムービーが流されている。
定年退職した会社の仲間と宴会での写真…
ゴルフコンペの写真…
息子さんと一緒に写ってる写真…
その映像のなかには、
鈴木さんが母と一緒に旅行に行った時の写真もムービーになっていた。
でも…
なぜか旅行の写真は鈴木さんがひとりの写真ばかりで、
母と一緒に写っている写真が1枚もない。
そして…
次の写真が映し出された瞬間、
母と一緒に写ってる写真が流されない理由(わけ)がわかった。
そこに映し出されたのは…
鈴木さんと亡くなった奥さん…
「そっか…母とは事実婚だったから
お葬式で紹介できないのか…」
いくら15年近くの長い日々を一緒に過ごしてきたとはいえ事実婚は事実婚。
母の顔を見ると少し寂しそうだったけど、
それも自分で選んだことなのだからと諦めているようにも見える。
柩のそばに母と歩み寄ると、
鈴木さんはとても穏やかな表情で眠りについていた。
「初めまして…
母と一緒に楽しい時間を過ごしてくださってありがとうございました。」
私は柩の中で静かに眠る鈴木さんに、
そう言葉をかける…
母は私のその言葉を聞いて、
崩れるように柩にすがりつき声をあげて泣き始めた…
私はそんな母の肩をさすってあげることしか出来ない…
「◯◯(母の名前)さんのお陰で、
おふくろの死後ふさぎ込んでいたオヤジが、
まるで青春を取り戻すかのように毎日を楽しく過ごしていました。
ホントにありがとうございました。」
柩のそばで泣いている母に、
鈴木さんの息子さんがそう声をかけてくれた
そんな鈴木さんが亡くなってもう10年…
母はまたひとりに戻り気楽に暮らしている。
時々思い出したように鈴木さんのことを、
「とっとと先に逝っちゃって私には
な〜んにも遺してくれなかったのよ!」
なんて毒のあることを相変わらず言ったりもしてるけど、
それも離別と死別というふたつの大きな別れを経験した母の、
精一杯の寂しさの裏返しなのかもしれない。
私は…私も?…
この先、再婚はしたくない。
再婚はしたくないけど、
母にとっての鈴木さんのような、
一緒に想い出を作ったり楽しくお酒を飲みに行けるようなパートナーに出逢えたら…?
私の人生も変わるのだろうか…
まだまだ…
今は想像もつかない…
こんばんは
今日も暑かったですね
ひとつ前のブログのコメントにお返事をお返ししましたのでご覧いただければ嬉しいです
まだ少し仕事が立て込んでいますが、
合間をみてお返事させていただきますね
いつもお待たせばかりして申し訳ありません
よろしくお願いします