2017年6月の上旬…

私とダンナでホームセンターに行った。
二人で出かけるなんてことは滅多にない私達。
でもその日は親戚の法事があり、
運転手役を頼まれたダンナから私は付き添いを頼まれていた。

ウチは車を所有してないのでレンタカーを借り、
法事の帰りにホームセンターに寄ろうという話しをあらかじめしていた。

ダンナはとにかく短気だ。
瞬間湯沸かし器のごとくあっという間に沸点に達してすぐにカッカするのは日常茶飯事。
ダンナも私と一緒にいるとイライラすることが多いらしく、
あることがきっかけとなって私も二人で一緒に居ることをいつのまにか避けるようになっていった。

ダンナが休みの日は私は仕事。
ダンナが仕事の日は私は休み。
二人で一緒にいる時間が長くなると些細なことで言い争いになる。
年々そういったバトルに私もいい加減疲れ果てていた。


「ちょっとコンビニに寄ってもらってもいい?
コーヒー買いたいから」


法事に向かう前にコーヒーが飲みたくなった私は、
自宅前に停められた車に乗り込むとダンナにそう告げた。


「はぁ〜?コーヒーぐらいあらかじめ買っておけよ!
まったくいつも要領の悪いヤツだよな!」


大きく溜息をつくと、
お約束どおりの呆れ顔で車を発進させた。

無事にコーヒーを手に入れると車は高速に向かって走り始める。


「この前、伯母さんの施設で職員の人が不親切でさぁ〜…」


とりとめのない話しを次から次へとペラペラ話す私。
次第にダンナはイライラしてきたのか、


「ホントおまえはうるさいヤツだな!
ペラペラペラペラくだらない話しばかり!
高速の降り口がわからなくなるから少しはだまってろよ!」


私のうるささにしびれをきらしたダンナは視線を真っ直ぐ前に向けたまま怒り始めた。

二人で一緒にいることは滅多にないけど、
いつも泥酔状態で夜遅くに帰ってくるからダンナに話したいことがあっても話せないこともたくさんある。
だからこうやって二人きりのレアな時間に、
普段できない話しをしているのに…
それをそんなふうに遮られたらこっちもたまらない。

口をつぐんだ私は視線を窓の外に向ける。
良い天気のはずなのに、
流れていく景色がみるみる曇り頬の上には雨が降り始めた。


なんでいつもこうなんだろう…