8月9日
70回目の「原爆の日」
報道写真家 ジョー・オダネル 撮影
「焼き場に立つ少年」 (1945年 長崎の爆心地にて)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150809/09/tukisiro-kowai-tokoro/3c/fd/j/o0331055113390390009.jpg?caw=800)
佐世保から長崎に入った
私は、小高い丘の上から下を眺めていました。
すると、白いマスクをかけた男達が目に入りました。
男達は、60センチ程の深さに
えぐった穴のそばで作業をしていました。
荷車に山積みにした死体を
石灰の燃える穴の中に次々と入れていたのです。
10歳くらいの少年が
歩いてくるのが目に留まりました。
おんぶひもをたすきにかけて
幼子を背中に背負っています。
弟や妹をおんぶしたまま、広っぱで遊んでいる
子供の姿は、当時の日本でよく目にする光景でした。
しかし、この少年の様子は、はっきりと違っています。
重大な目的を持って
この焼き場にやって来たという
強い意思が感じられました。
しかも裸足です。
少年は、焼き場のふちまで来ると
硬い表情で
目を凝らして立ち尽くしています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150809/09/tukisiro-kowai-tokoro/ec/9b/j/o0301031113390390015.jpg?caw=800)
背中の赤ん坊は、ぐっすり眠っているのか
首を後ろにのけぞらせたままです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150809/09/tukisiro-kowai-tokoro/9e/04/j/o0455025113390390018.jpg?caw=800)
少年は焼き場のふちに
5分か10分、立っていたでしょうか。
白いマスクの男達がおもむろに近づき
ゆっくりと
おんぶひもを解き始めました。
この時 私は、背中の幼子が既に
死んでいる事に、初めて気づいたのです。
男達は、幼子の手と足を持つと、ゆっくりと
葬るように、焼き場の熱い灰の上に横たえました。
まず
幼い肉体が火に溶ける、ジューという音がしました。
それから、まばゆい程の炎が、さっと舞い立ちました。
真っ赤な夕日のような炎は
直立不動の少年の
まだ、あどけない頬を、赤く照らしました。
その時です。
炎を食い入るように見つめる少年の唇に
血がにじんでいるのに気付いたのは。
少年が、あまりきつく噛み締めているため
唇の血は流れる事もなく
ただ少年の下唇に、赤くにじんでいました。
夕日のような炎が静まると
少年はくるりときびすを返し
沈黙のまま、焼き場を去っていきました。
※ 3ヶ月前
YouTubeのおすすめ動画で偶然、観ました。
この写真はなんとも言えないほど
気を引く写真なので
ずっと気になっていましたが
今日は長崎に「原爆が落とされた日」なので
ブログで記事にしてみました。
記事はそのまま引用しています。
※ 上の動画は
NHKスペシャル
解かされた封印~米軍カメラマンが見たNAGASAKI