共産主義 ≒ 社会主義 ≒ 官僚組織や東電 ≒民主主義のコスト
前回の続きです。
前回は、民主主義のコストというお話でした。
そして、今回はそこから転じて、私が日頃感じていた"仮説"のお話です。
その仮説とは、「法や規則等で決められたことを粛々と遂行することが求められる行政組織」とか、「一般企業の事務部門のように事細かくマニュアル化された組織」では、「社会主義で顕著に見られる組織が成立する」のではないかというものです。
『民主主義のパラドックス』とでもいうのでしょうか・・・。
自分で言っときながら、摩訶不思議な仮説です。
まるで、生物が、進化の歴史の中で、細胞内にミトコンドリアを始めとする外界の様々な器官を取り込んできたかのように、異質のものを取り込んでいるようなニュアンスです。
さて、何故行政機関のような組織の中で社会主義世界で顕著に見られるような組織が成立するのか?
それは、こうした組織では、決められた最低限のことだけを遂行(したことに)すればいいからです。
それ以外の余計な事を遂行してはいけない組織だからです。
そのような組織では、自然の摂理として、生産性とか効率性は低下します。
サービス精神とか臨機応変な対応とかも姿を消します。
そりゃそうですよね。
苦労するよりも楽をしたい人の方が多数派ですので、水が低いところに流れるように易(やす)きに流れるのは、当たり前のことです。
ところで、自然界は、そんな「競争も成長も存在しない仕組み」を許してはくれません。
易きに流れると、他の個体や他の種あるいは他の組織との競争に敗れ、その個体、その種、その組織は、衰退し、絶滅するからです。
旧ソ連をはじめとする社会主義国家が崩壊したのは、当たり前の帰結です。
しかし、官僚の世界に限って言うと「社会主義国家のように崩壊する」ようなことはないと思います。
ガラパゴス同様に「法律という名の大海」により外界から守られているからです。
守られているだけではなく、「権力と予算とが供給され続けるから」です。
権力も予算も、私達が選んだ議員先生が作る法律に基づいて付与されます。
正確には、「高級官僚が、自分達や監督している業界の利益(権益)のために緻密に組み上げた法案」に対して「族議員が中心となってお墨付き」を与えて法制化することで成立します。
また、日本に於いては、理論上の社会主義国家とは違い、民間企業と民間人が競争原理の真っただ中で、必死になってサービス(貢献)を提供し、付加価値を創造します。
ですので、予算の供給源となる富が底を突くことがありません。
社会主義国家が倒れてしまったのは、「富というエネルギー供給源」がなかったからです。
社会主義というのは本来的には自己完結するのがとても難しい社会形態です。
中国が生き残っているのは、資本主義の皮を被ることで「富の供給源」を作り出すことに(今のところ)成功しているからです。
でも、自由競争社会という成長力のある社会の中に、部分的に社会主義の組織を作り上げて、その社会主義の組織を養ってあげることは可能です。
それをバランス良く国家レベルで実践したのが、私達の国「日本」です。
「社会主義的な部分社会」の一番の典型例は「官僚組織」でしたね。
最近脚光を浴びつつある「(財)原子力安全技術センター」「(財)原子力環境整備促進・資金管理センター」のような各種「外郭団体」もそうです。
また、東京電力をはじめとする電力会社も、諸々の法律・規制でがんじ絡めに守られているので、似ている部分が多いと思います。
自由化以前の「銀行」もそうでした(今でもそうかも・・・)。
このような社会では、「部分社会の法理」のようなものが正々堂々とまかり通ってしまいます。
「部分社会」に対しては、法の守護者「司法権」ですら、自らの権利と義務を放棄して立ち入ろうとはしません。
なので、これまでも常識では考えられないようなことが横行してきましたし、これからも横行し続けるでしょう。
しかも、外界からは見えにくく、メスも入りにくい。
従って、平時であれば、無難にやり過ごすことができます。
ただ、今回のようにひとたび何か重大事が起きると、何だかおかしいと誰もが感じる。
一部の博識ある国民の皆さんは、ずっと以前からも疑問を感じてきていたと思います。
よく揶揄されるように、世界で一番社会主義に成功しているのは日本です。
諸外国から見て、「国の対応が後手後手になっていて話にならない状態を何故国民は容認するのか?」「日本人は何故国に対して怒らないのか?」「何故おとなしくしているのか?」とまどろっこしく感じるのも当然です。
ちなみに、ここで想定している「官僚組織」には、現場や現業公務員は含まれていません。
被災地の地方自治体の職員の皆さんは、「現場」にいましたから、他人ごとではありませんでした。
自衛隊や消防・警察の方々は、常日頃から「現場」で生の現実を直視しています。
皆さん、必死だったと思います。
「机上の理屈で物事を考える習慣が染みついてしまっていて、現実に現場で起きていることを想像できない人達」
そうした特殊な人種で組織が出来上がっている「(高級)官僚組織」に限った話ではないかと思っています。
何てったって、社会主義とか共産主義、そして官僚組織という代物は、所詮は現実を無視した理想論、理屈をこねくり回しただけの独りよがりの思想の産物ですからね。(=゚ω゚)ノ
共産主義 ≒ 社会主義 ≒ 官僚組織や東電 ≒民主主義のコスト ということですね。
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