ハッピーバースデー。

少年、久しぶりに自分の部屋を訪れた。

誰にも邪魔されない、君だけの空間だ、君だけの世界だ。

こんなくだらない狭いお遊戯会は、あと何年と続くのだろう。いっときは離れられていたのに。

 

月がなんにもない夜は、頭の先からうんと重い。

ようやく恨むことができるようになったのは正解だった、僕は今まで本当に人が良すぎたんだ。

一人で泣きたい気持ちに駆られているのは心地良いんだよ。知らないだろう君は。酔いしれてばかりのあんな奴は。

この悲しみは、いずれ僕の大切な人たちを襲うだろう。

いつになるかは分からない、振りかざすつもりもない。

だけどきっといつかは、巻き込まれてしまうのだ。

 

喉の奥で言葉が滝のように止め処なく生まれては潰れていく。

可哀想にね、採用されないものばっかり。

それに、言ってやらなかったんだ。とうとう、ついにさ。これでよかったんだ。

よかったのさ。

 

ハッピーバースデー

沈黙の誕生日、大好きだよ

夜中にインターホンが鳴ってる

頭痛がするのに脳裏はずっと冴えている

バースデー

一緒にするんじゃねえよ

誰が幸せになるって言った

喜ばせてくれないなら、サプライズができないなら

こんな日なんてなかったことに

 

よく泣くよ。普通だろ、しばらく眺めて前を向き直したらいい。

家の中は無音じゃないんだ。色んなことに耳を澄ましてる。僕だけじゃない、何かしら音は軋むんだ。

眠りたくなかったわけじゃないのに、カフェイン。

酷い有様だ。顎まで滴ってるなんて。

ああ、いい日だね。実にいい日だ。

このまま同じ夜を迎えるのも悪くないかもしれない。

こんな時は何て言えばいいんだろう。いい挨拶が思い浮かばない。僕はまだまだ乏しいなあ

 

あっはっは

泣くほど笑える

笑うほど泣いている

幸せに絶頂があるなら、もうとうに経験していたらしい。

神様、僕がいちばんの出来だと思いませんか?

あなたの最高傑作は僕じゃないですか?

あっはっは……。……

 

 

いつからか憂うつになってた。

いつもこうなんだ。今に始まったことじゃない。習慣みたいなものだ。

大丈夫

朝が来る前に全部仕舞い込めるよ。

 

カフェイン、僕が眠れないのは、脳が落ちないからなんだ。