天気が良いまま雪の嵩が増していくようだ。
君は遅くても連絡をくれる。
俺はそれが嬉しいような、少し元気をなくしてしまうような、春が来る寂しさに似た感情を指先の方まで遊ばせてた。
会おうと言った日が近づいてくると、毎日の色々なことがヒントをくれているみたいで落ち着かない。
きっと見落としてる、何度も読み返して幾ら時間をかけても、余さず手に入れたい君の思いを取りこぼしてしまっている気がして。
伝えたい殆どのことは一生懸命になるほど、存在しない嘘のように宙ぶらりんとする。
冬の間氷っている広い湖。
背伸びをしてもその風景は遠く、車を走らせて手に入れたいこの清々しい達成感も冷たい風がどこかへやってくれる。それでいい。
そのために俺はあそこへ行こうだとか、あれを見に行きたいだとか、非現実をさも恋しがっているような素振りで、さほど傷ついてはいない過ちを何度も鏡に映している。
よく撮れているでしょう、そう、なんて屈託のない。
もっと光を集めてあげたかったけどね。
太陽が明るくなってきてよかった。
俺は気が滅入るけれど、君は嬉しくなって身体を器用に使い始めるだろうから。
そのダンスはずっと見ていたい、できれば雪も少し残ったままで。
ヒビを伝えて、足先から氷と共に冷たい水の中へ囚われてゆく様。
美しさの終わりを教えたい、その素敵な状態を保ったまま終わってみせて。
今度こそ本当に、眠るように。
遅いと思ったら、君がまた俺を気にかけているように、おまじないを。
どうか、その二人は約束じみていて。