学校には学校が好きな奴が行く。
仕事は好きじゃなくても誰もがする。
いつまでも学生でいたいとは思わない。
思いたくない。
人も環境も、自ら望んで変えてやりたい。
就職しない友達が何人かいる。
その中に親友と呼べる他人もいる。
大学院を目指すのは同期の中でも珍しいことじゃない。
ろくに通っていなくても4年間もいたというのに、未だ何も掴めていないのだと思う。
無礼に聞こえるかもしれないが、だからこそ本人たちもまだまだ学び何かを制作し、探り続けたいのだと思う。
正直、羨ましく思う。
僕は、夢を捨てたことになるのだろうか?
夢を描くことに、あまり魅力を感じなくなってしまった?
自分自身のことよりも、多くの誰かのためにできることを考え始めた僕は、それこそ笑われることになるのだろうか。
大勢と並べば直ぐに異質な目で見られたけれど、間違ってるわけじゃなかった。
でも、僕の独りよがりじゃ、人を幸せにはできないから。
同情すらも、きっと難しいだろうから。
執着しないから、執着されてきた。
誰のものにもなれないから、片思いばかりされてきた。
今まで誰か一人でも大切にできたことがあっただろうか。
自分にも他人にも本当は興味がなくて、辛い気持ちならいつまでも続けていられるんだ。
だから、そんなこと言わないで。
『あなたがここにいるなら、わたしもここにいる』と。
『あなたについて行く』と。
僕はここにいない。
人の隣を歩きながら、人と言葉をかわしながらも、そこに僕はいない。
遠くばかりを見ていると思う。
自分を越えて、過去を越えて、でも未来ではないどこか違う、もっと遥々とした、少し霧がかっているような透明な無数の雫に包まれるような。
だから僕じゃなくてもいい。
許してほしい…。
僕は許しを請いながら、誰の問いかけにも答えてやれない、無知な、あまりにも無知な、欲のないつまらない人間でありたい、そんなどうしようもない気持ちを抱えて、今日もなんとかパチパチと、活字にまみれようとしているわけです。