僕(本村 有也)と彼女の出会いは、高校一年の時の六月だった。
連日、外は雨が降り続けていた。僕は雨を見るのが大好きでそんな六月が大好きだった。
火曜の放課後には全校集会が毎週あった。僕はそれがとても嫌いでいつもさぼっていた。だからその日も友達と体育館まではいったけれども、一人で引き返して教室に向かった。
もうほとんどの生徒は廊下にいなかった。がらんとした廊下を雨の音をきき、湿気た廊下を転ばないように僕は歩いた。
ガーシャーン パリパリパリーン
丁度、対になった反対側の廊下からものすごい音が聞こえた。
だれかがボールかなんかでガラスを割ったんだろうとくらいにしか思わなかった僕はその現場を見に行こうかどうか迷ったけれど、ここでかえったら犯人扱いになるのではないかと思ったので見に行くことにした。
ガラスの大きな扉が粉々にくだけちって廊下の上できらきらと舞っていた。
そしてそこに一人の女学生と、血の水たまりがあった。
人が倒れているのを見るの初めてだったし、こんなに大量の血を見るのもはじめてだったので僕はしばらくそこに立っていることしかできなかった。
時間にしたらほんのわずかな時間だったのだろう。しかし僕の頭のなかでは「どうしよう、どうしよう」という言葉が流れ星のように何千回も流れていた。