人の為になる事ができたら良いな。月子は最近地域ボランティアのチラシを手にしていた。

 

冥王星が射手座から山羊座へイングレスした頃だった。冥王星は11ハウスにあった。

11ハウスの冥王星は大きな物事を共同制作するが破壊も伴っていた。

そして、海王星とASCはコンジャンクションしていた。月子の太陽は1室にあり守護星が

戻ってきたのだった。

 

 

 

 

 

月子は自宅サロンを開業する事を決めていた。

エステティシャンとして学んだ手技とアロマテラピーのインストラクターとしての知識、

そこへチャクラを活性化させるクリスタルとタロットを活用する。

同時期に漢方喫茶でのタロットリーデングも行った。

 

オイルや精油には拘り体調の悪い人にはエドガーケイシーのカスターオイルを用いてでの

施術も行った。

少しづつではあるがお客様から紹介、美容室から、漢方喫茶からと紹介を頂きなんとか

お客様も固定しだした。

 

 

そして2011年3月11日の東日本大震災が起きたのだ。

黒い海が町や港を覆い尽くし町は消えていき人は飲まれていった。

 

あんな衝撃は初めてだった。

胸が熱くなった。行かなければ!行かなければ!ただそう思った。

月子は何かに突き動ごかされるかのごとくのめり込んだ。避難者支援という名のあらゆる

ところに首を突っ込んだ。東北へ出向き、マッサージ支援などを行い、大阪・京都へ避難

した人たちにも同様の支援をした。毎日がボランティアの事で頭がいっぱいだった。

 

同年、アロマセラピストだけの集まりより声が掛かり、個人行動から団体行動へと

変わった。何かをするには団体といえども名前と代表が必要ということで、団体名を決めて

月子は15名の団体の代表へと抜擢された。

医療・弁護士・大阪市・NPOとの連携に明け暮れた。沢山の人達と連携をとった。

 

月子はボランティアこそが自分の人生の生き甲斐のように感じはじめ、家のことが

おろそかになり始めた。子供に恵まれなかった月子は何かの為に力を注ぎたかったのかも

しれない。そして、原発の爆発により被曝したかもしれない子供達の支援がしたかった。

 

 

その頃より月子に衝撃が訪れ始めた。

 

 

 

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最初は20年来の友人の心変わりだった。友人もアロマを学びはじめ、教室でアロマを教える

事が出来るようになった私と一緒に、二人の家の真ん中ら辺の距離にある場所でアロマ教室を始める運びとなった。その友人は自宅でマツエクのお店をしていた。今後、アロマを用いたフェイシャルも取り入れようと月子のサロンで学んでいた。

他に、月子のサロンでフェイシャルの施術を学びに来ていた生徒がいた。

その人は自宅でネイルをしていた。

 

月子の自宅で友人とフェイシャルを学びに来ていた人をアイモデルとして二人に施術の

しあいっこをさせた。お互いに自宅サロンをしている者同士で話題が盛り上がった。

 

アロマ教室の契約も済み、あとは流れを決めようかと準備段階に入り、大まかに決まった。

すると開始前日に友人からメールが入った。

 

「ごめん。一緒にアロマ教室できないわ。ごめん。」

とても短い文章だった。

 

どうして?急に?なぜ?

 

二人で運営する為に教室も少し電車に乗らないと行けない場所にしたし駅からも歩く。

理由は友人が普段から車で行動をする人なので友人の希望に合わせたのだった。

駅までの送り迎いが約束されていた。

 

月子は一人で大きなアタッシュケースをゴロゴロ引きずり半年その教室へ赴いた。

真夏に「場所を変えよう」と決意した。暑さでこの道のりはきつい。

毎回現金3万を手にしながらも心に穴が空いていた。

ある時、我がサロンにフェイシャルを学びに来ていた人からフェイシャルメニューを取り

入れました、とメールが届いた。HPを見にいった。この時に月子に稲妻が走った。

新しいコラボと書かれたページに20年来の友人が写っていた。

元々、お金儲け主義だった彼女。(賭け事も大好きで先物取引で60万の損害もしてたり)

欲があることは悪いことではないと月子は思っていたが、こんな形で現れるとは。

 

 

月子は20年来の友人と同じ共通の友人をひとり亡くしている。

乳がんの末期だった。1年近く二人で毎月見舞った。2時間程マッサージを施してあげたり

他愛のない話しをした。神戸にある病院まで遠かったが毎月のお決まりコースだった。

だから、この友人が自分を裏切ることはないと勝手に思い込んでいたのだ。

そうえいば友人はこうも言っていた。

「アロマでは儲けにならなくない?施術は確実に儲かる。」

その友人とはそれ以来会っていない。

 

 

 

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月子がエステで働いていた時の後輩なのだが、めちゃめちゃのスピ系でとにかく話しが

合った。彼女は見る限り女性的で不思議な魅力を持っていた。

いつもスピ系の人たちからシリウスの人と言われていた。

彼女はいろんな仕事をしてきたが頭を使う仕事は自分には向いていないと言った。

しかし、ど根性がありトラック運転手を数年して二軒の家をローンで建てた。

その内の1軒を人に貸出し、自分が住まう家の1階には犬のトリミングのお店を作った。

犬が大好きで保護犬を二匹飼っていた。心優しい女性だった。

 

彼女はトリミングのお店をたたみ、エステ業界へやってきた。

二人で各々で自宅サロンをする為に施術の勉強を沢山しに出かけた。

整体・指圧・ロミロミ・エサレンと、とにかく楽しかった。

月子は自宅サロンが稼働しだし、彼女もサロンを開業したが、仕事が軌道に乗るまで夜の

飲み屋でバイトをしだした。ローンを抱えているので仕方がない。

彼女は魅力的なのでお客さんがすぐについた。その内、年の離れた男性と付き合う事と

なった。

 

月子はアロマインストラクターだった為、精油を60%で仕入れていた。

彼女も月子を通して購入していた。原価は非常に高いからだ。3年位続いた。

 

月子の代表のアロマボランティアをする仲間の中に自宅サロン経営者が多かった。

その内のひとりがいつも顔割れしていて扱いたい化粧品が扱えずに困っていた。

そこで、後輩のサロン名で仕入することにした。持ちつ持たれつの関係だと思っていた。

 

しかし、彼女の彼氏となった男性から威圧的な紙面が届いた。

人の名前での購入する事に対しての内容と意見書だった。

彼女に連絡をして聞いたところ「彼はその道に詳しい人だから彼のいう通りだと思う。」

と返答があった。では、月子の名前で購入していた精油はどうなのだ?

 

彼氏はお金持ちだった。彼は別居していた奥さんと別れて彼女と結婚した。

その後、彼は病気で亡くなり財産を手にし立派なサロンを経営する事となる。

オープン記念ハガキが届いたが月子はゴミ箱へ捨てた。メールも届くが無視した。

 

ここまででも十分な程、月子は人との信頼関係について信じれなくなっていた。

昨日今日の付き合いではないのに、なぜ?急に心変わりするの?なんで?

月子は裏切りにとにかく敏感になった。人はどんなに約束しても守らないものなのか?

 

 

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月子が通っていたアロマの学校。支援活動何かしたいね、って先生が言った。嬉しかった。

先生のお店でワークショップを開いて、そのお金を寄付しようとなった。

月子はタクティールケアというスェーデンのマッサージもしていて、その講師が無料で

講師をかって出てくれた。先生のワークショップで講演会と実技を行なった。

かなりの人が集まりほとんどが施術者や看護師だった。

 

終わった翌日、先生からメールが届いた。

 

「月子さん、未来に一緒に学校を設立しませんか?月子さんとなら出来ると確信があり

ます。なので、今回の収益はその未来の為に貯金しませんか?」

 

という内容だった。え? 支援活動として寄付すると言ったではないか。

なんで、未来の自分達の学校の為とか、ちっぽけな収益を手放せないのだろうか。

月子はきっぱり断り、赤十字に振り込んだ時の領収書を写メでください、と伝えた。

 

月子はボランティアで明け暮れていたので先生とは疎遠になった。

それから月日が経ち、アロマのお店へ顔を出してみようと行ってみた。お店も学校も

無くなっていた。月子は涙した。

 

 

衝撃は続く。次の衝撃は大波だった。これまでのは小波だった。

 

 

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ボランティアのアロマテラピストの団体。アロマテラピストの半数以上がある有名なアロマ

の学校の集まりだったが月子は違った。その学校の先生という人から月子にメールが届いた。

 

「これまでみんなを引っ張ってきていただきありがとございます。

これからは私が代わりに牽引していきます。無料ではなく有料なボランティアを作り上げ

たいと思います。」

 

副代表をしていた人が言うには先生はアロマの事業もされていて少し傾きかけている、

ボランティアも少し名前が売れ出したのでこれを事業として行いたい、との事だった。

またしてもお金がらみなのか!

断った途端に副代表の手のひらが変わり、「代表を辞めていただいて結構ですよ。」

メールが届いた。月子の身体は震えた。人の化けの皮が剥がれてゆく。

月子は一緒にボランティアをしていた弁護士に相談した。

弁護士も驚いていたが、何もできないからほっておけばいい、と助言された。

 

そのメールが届いてから4ヶ月後に相方の浮気が発覚した。

猛烈な喧嘩と二人の間に亀裂が入り、相方は家を空けることが多くなった。

アロマボランティアの団体をどうすべきか迷い中に家庭でも問題が勃発だ。

どうしていいのかわからなくなった。誰も信じれなくなった月子は久々に実家へ戻った。

脳梗塞で倒れた兄の世話をしていた父がおかしい事に気がついた。認知症になっていた。

どうしてこんな事象が1年間に一気に起きるのか。いや、その前年も前々年もそうだ。

 

 

月子は誰も信じれる人が居なくなった。月子が信じていた人が、という意味だ。

こんな裏切りってあるんだ。あるんだね?まるで小説じゃないか。笑えるよ。

登って来た階段を降りて行かなきゃいけないと感じた。

 

 

兄と父の2人をみれない為、兄を支援介護施設へ入れることにした。これはタイミングよく

空きがあまりないとされる中で見つかった。

父への通い介護は精神的にしんどかったが、他の事を考えずにいれたので救いだった。

警察に呼びだされること2回。実家の近所からは何か問題がある事に携帯に連絡が入った。

夜中の2時。朝方の5時。携帯が鳴ると月子の身体が拒絶反応を起こした。

寝ぼけながらタクシーを飛ばす。眠れない日々。月子は追い詰められた。

こういう時こそ判断を間違ってはいけない、と思った。

 

ひとつずつ決断をして解決していこう。

 

アロマのボランティアは一旦解散し、個人で行う事とした。

解散する時に一悶着あったが、月子はすでに冷めていた。数人が月子に着いてきてくれた。

アロマの学校の先生は、どことも面識がないのでそのままボランティア事業(?)を

諦めた。月子が繋がっている団体ばかりだったので当たり前なのだ。

 

相方の事も冷静に考えた。いつものように未来がぼんやりと少し垣間見えた。

一旦、相方を解放しよう。彼が戻ってくる決断を下す事が見えていた。

あえて別れを伝えた。すると一ヶ月後に月子の前で土下座をして許しをこうた。

彼がどうして浮気をしたのか。彼に聞いてみた。

ひとり置き去りの日々。帰りの遅い月子。家の近くのテニスコートで仲良くテニスをする

老夫婦を見て涙したと相方から告げられた。

月子は泣いた。相方を思い泣いた。家族を守れていなかった事が泣けたのだ。

 

この頃から月子のハートチャクラが変わり始めた。

他人でなく家族を大切にしなくちゃ、と。自分を待つ家族を!

 

それでもボランティアは本格的な流れとなっていた。

月子にはどうしても成し遂げたい事があった。この活動をする1年前からその道の人達

新幹線に乗って会いに行き協力要請をしてきた。根固めができたところで京都へ時より

避難してきていた福島の看護師に声を掛けた。内容を説明して一緒にやらないか、と声を

掛けた。目をキラキラさせてやりたいと言った。

内容は福島に住む子供達の支援だった。知り合いを2名紹介していただき4名で活動する事になり、月子は今度こそは純粋に活動したいと心から思った。

 

月子はあえて団体代表にならず、福島の看護師になってもらうこととした。

しかし・・・

これまで月子が動いて協力要請してきた人達に会う中で徐々に彼女の態度が変わり出した。

自分がこの支援を開始したと言いふれ、月子は協力者だと言い放った。

いろんな活動団体が接近してきて支援活動を対象とした雑誌に取材されるとさらに急変した。そして、彼女は活動が1年目になろうとしていた頃から他の団体と勝手に協定を結んで違うことをしだしていた。他のメンバーも月子にも知らされていなかった。

その協定を結んだ団体からのメールが月子に届き発覚した。

 

 

月子はまた崖から突き落とされた気分を味わった。またしてもか。なんでこうなる?

 

 

 

 

今、行なっているスケジュールを途中で止めるわけにはいかず迷った。

いろんな人が関与していたし福島の子供の親達からの信頼関係にも関わる。

福島へ飛んで話し合いもした。勝手なことをさせないためにも、最初のレールに戻す為にも

月子が共同代表になると告げたところ彼女は「そしたら、何もしない。」と言い放った。

月子の心拍数は跳ね上がった。バクバクバクバク。。。

他のメンバーにどうしたいか尋ねた。月子に着いていくと言ったが月子は迷った。

こんな関係になって続けていけるのか?他のメンバーは月子へ我慢を望んだ。

 

 

再度、月子は代表の彼女と話し合いをしたが平行線だった。

解散を決めた。それからは月子が1年間遂行した。たったひとりで行うにはかなりの量が

あった。時間に追われた。でも内容を将来のために記録を残すと決めていた。

大学の教授に相談し企業の社長に相談しなんとか無事終えることができた。そして、

大学の論文の書庫に残す流れとなった。

 

その後、論文の内容の講演や本の出版の話しが出たが月子は力尽きていた。

もう、いいだろう。もう、いいでしょう。月子は疲れた。

 

自分を大切にしなくてはいけないと感じだした。

 

人の為にしてきた(月子的には)事が人の裏切りを見るはめとなった。

ボランティアでこんな思いをするとは月子は思ってもいなかった。想像以上だった。

お金儲けと名前を売りたいという人の欲をずっと見せ続けられたわけだ。

 

そう、見てきた。なんでだろう?

 

これまでやってきたことは自己満足でエゴだったのかもしれない、と感じ始めた。

 

 

8年間続けたボランティアを辞めると決意した。

決意するまではものすごい苦痛が伴った。愛すべき人達も大勢いたからだ。

迷った。胸が張り裂けそうになった。これは裏切り行為になるのかとも思えた。

でも、中途半端な決断はしてはいけない。

 

声がした。自分を守りなさい、と。

 

これまでも声に従うと流れに乗れた。今回も声に従おうと決めた。

 

 

月子はタロットをする。

アロマ学校の裏切りがあってから月子は一人一人を占っていた。

占いは正直だった。でも、月子はわかっていたのに自分の欲に駆られ占いより思いの強さを

示したかったのかもしれない。しかし、タロットの結果はことごとく当たった。

 

ひとりだけ裏切らないと出ていた大学の先生だけが最後まで裏切らなかった。

ほとんどの人は欲が絡んでいた。良い欲も悪い欲もだ。

 

 

そんな頃にコロナがやってきた。

月子にとってはいろんな意味でコロナは良い方向へと向かわせてくれた。

人と会わずに済んだからだった。月子の意思で合わないというよりコロナだから会わない。

心の保養期間となった。色々と振り返ることができた。占星術に没頭できた。

 

2023年、チャネリングする優香さんのワークに参加した時に「こだわりを手放す事」

が来年の課題だと言われた。

この地球の次元が上昇している最中、月子は今年1月からあるセッションに参加している。

そして、これまでの出来事をかいつまんで伝えてみた。

 

すると統合へ促されていると言われた。

 

3次元は2極性の次元だ。

/   ある・ない /   嫌い・好き / 光・影 /    隠・陽 /     上・下 /   右・左 / 

/   表・裏 /   良い・悪い /

というように分離の次元

 

これからは統合に入る。地球自体が統合の次元に上昇する時、人も自分自身の統合を

体現することとなる。だから体現させられたのだ。

 

ストーンと胸に落ちた。そういうことだったのか、と。

これでもか、これでもか、と見せられた数年だった。

相方も父も友人たちもその役割を果たしてくれていただけなんだとわかった。

 

 

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最後まで読んでくださりありがとうございます愛飛び出すハート