詩の朗読㉟「花は散っても」*【詩集】三日月想詩◇つきの◇より | 月の足跡

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詩とエッセイに掌編、短編小説を書いています


「花は散っても」

三月終わりの週
一足先に咲いた枝垂れ桜が
この雨でアスファルトの上に
薄紅色の花びらを散らしはじめて

咲いてしまえば美しくも儚い
それでも花は散っても桜は生きている
風に舞い落ちるそばから
若葉が顔を出しはじめ

爛漫の姿に人々は感嘆し
桜よ、桜よ、と愛でるけれど
華やかなその姿だけが
全てではないことを
わたしたちは知るのだ
緑の葉で繋げる
次の季節への伝言で


花は散っても終わりはしない
桜は桜、姿変われど
まだ生きている
生きていく


***【詩集】三日月想詩◇つきの◇より