2022/10/11放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'デコチャリ軍団「龍神丸船団」初代会長'
なぎとさん(以下、なぎと)



マツコ「これなあに?半グレの人が来るんじゃないわよね?大丈夫よね、これね。いや、すごい。想像をはるかに超えてましたわ。これで走ってるの?」
なぎと「公道は走ってないです」
マツコ「無理だよね、これな。じゃあどこ走ってるのよ?」
なぎと「家の周り」


《全国のデコチャリ少年大集合!》


なぎと「はじめに、僕の人生を振り返っていこうと」
マツコ「人生すごいね、もう岩崎恭子ちゃん並み。これも若い子わからないわね、もうね」
なぎと「小学3年生のときに、『湘南暴走族』を見て改チャリに目覚めます」
マツコ「ていうか、なんでそれ出会ったの?」
なぎと「YouTubeとか」
マツコ「やっぱりだから今ネットってすごい。だからまあある意味、昔のものを若い人が気づいてくれるからすごいけど、これ気づき方によっちゃ、これ大変なことになる一例よね」
なぎと「次に小学4年生のとき」
マツコ「ああ、もうこれが決定打だったのな」
なぎと「はい。映画『トラック野郎望郷一番星』を観て、デコチャリの世界へ足を踏み出しました」
ナレーション「トラック運転手に扮する菅原文太と、愛川欽也が主演。1975年から始まった『トラック野郎』シリーズ。この映画が大ヒットしたことで、全国のトラック運転手が目立つために装飾を始め、デコトラブームを巻き起こした。そしてその3作品目のオープニングシーンで」
なぎと「これです」
マツコ「えっ。デコチャリ出てきたんだ?子どもにデコチャリ乗らしてたんだ?」
なぎと「はい。それをきっかけにデコチャリを始めました」
マツコ「なるほど」
なぎと「ということで、今日お伝えしたいことがあります。こちら。スマホやゲームに縛られず、作る楽しみをもっと知ってほしい。デコチャリは完成がない男のロマン。最近の子はゲームをやりすぎじゃないのかって思うんですよ。やっぱり自分の頭の中で作りたいなっていうものをもっと作ってほしいです」
マツコ「すごいことを言ってる。自分で想像する力をな」
なぎと「そしてオススメしたいのがデコチャリ」
マツコ「それは飛躍しすぎなのよね」
なぎと「発想って無限に続くわけじゃないですか。なので、デコチャリも永遠に」
マツコ「意外とデコトラの人って絵を変えたりとかさ、いろいろ飽きて途中で変えるもんね」
なぎと「そして僕がデコチャリを見るにあたって、どこを見ているのかをご紹介します。俺の中で男のロマンを感じるポイント。隠しとエロさ」
マツコ「おまえはわかってるな」
なぎと「このエロさっていうものは、本当にトラック業界である言葉なんですけど」
マツコ「へえ、『エロいね』みたいな誉め言葉があるんだ?」
なぎと「そうですね。荷台の下のシャーシっていう部分とかに、赤いライトを光らせて、それが反射して」
マツコ「ボディに反射してるってことね」
なぎと「それですごいきれいになるんですけど。それをみんなで『うわ、これエロ』とか言って」
マツコ「わかってるなおまえ」
なぎと「そしてマーカーランプ、光るライトだったり、ヤンキーホーン、さっき鳴らしたホーンを隠すのが粋な感じでかっこいいんですよ」
マツコ「もろに見せればいいってもんじゃないっていうのをね、12歳でわかっているのはすごい。早熟」

ナレーション「ここからは、全国にあるデコチャリの中から、なぎとくんが男のロマンを感じる名作をご紹介」
なぎと「まずこちら。LEDと隠しの魔術師。全国極美会・関東支部長、茨城県の幸太くん。17歳、高校2年生。幸華丸です」
マツコ「大丈夫かな?みんなかわいい子たちなのよね?」
なぎと「こちら、なんと今日来てくれています」
マツコ「あら、幸太が来てるのね」
なぎと「はい、幸太くんどうぞ」
マツコ「ちゃんと会釈した。いやこれね、あたしがたまらないポイントとしてはね、亜紀ちゃんの歌かけてるってところよ。これ若い子わからないと思うけど、トラックといえば亜紀ちゃんなの。わからないだろうな、おまえらには。あたしが今亜紀ちゃんを聴いて心が高ぶっているのが。おまえらにはわからないだろうな。ごめんな、一人で興奮して」
幸太くん「大丈夫」
なぎと「自分が一番この車両で好きなところなんですけど、ここ見えますかね?この赤いライトと、エロくなってて、それで下についているヤンキーホーンが隠されているところが」
マツコ「ちょっとでもやりたくなってくるよね。あたし止められたことあるのよ、うちの運転手に。『ハイエース改造したい』って言ったら、そこから降りるの毎回目撃されるんですよって」
なぎと「次なんですけど、このマーカーの量と明るさ」
マツコ「きれいね」
なぎと「これが最近出てきた竹村商会っていう高いLEDを、マーカー全部についているんです」
マツコ「でも確かにこのLEDは電球っぽい。昔はさ、本当電球だったのよ。電球がブワーってついていたのよ。歌舞伎町のネオンがそのまま移動しているみたいな感じよ。わからないだろうな、おまえらには」
幸太くん「こういう感じの仕様が好きで、これを本物でやりたいなと思って」
マツコ「本当に昔ながらのデコトラをやりたいのね」
幸太くん「そうですね」
マツコ「やっぱりこっちから入って亜紀ちゃん好きになったの?」
幸太くん「そうですね」
マツコ「夜のヒットスタジオで『舟唄』歌ったとき、すごいドライアイスで。風が吹いて、めっちゃきれい。あの亜紀ちゃん本当にきれいだから見なさい」
なぎと「髪型がこう」
マツコ「髪がブワーってなるやつな。おまえなんだ?なんで12歳の子と。こんなにあの動画について分かち合えたことはないよあたしは。それが12歳の子だと」

ナレーション「そしてさらに、なぎとくんが男のロマンを感じる全国のデコチャリが。まずやってきたのは愛知県岡崎市。こちらがデコチャリのオーナー大翔くん、高校3年生。愛車は全国的にも珍しい18インチの子供用自転車で作った義侠丸観光」
大翔くん「こだわりポイントの一つ目というのが、このキャビンの内装です。けっこう細かいところまで生地張ってたりとか。やっぱり見えないところも作りこむとリアルかなっていうのが自分の中であって」
ナレーション「月2000円の小遣いでコツコツと2年を費やして作ったという」
大翔くん「大切な相棒であり、青春の1ページみたいな。そんな大切な存在ですね」
ナレーション「そんな義侠丸観光のなぎとくんが男のロマンを感じるポイントが」

なぎと「これわかります?」
マツコ「音。あたしデコトラのイメージっていうと、音なんだよね。ヒューヒューとかね、あとなんか」
なぎと「ダダダダ、ヒューヒュー、パパパパ」
マツコ「そうそう。これのもっと激しい音がしてたのよ、昔」
なぎと「マニ割りの音がマジリアルでかっこいいんですよ」
マツコ「これのだからでかい音」
なぎと「この素材を探すのに本当苦労したらしくて」
マツコ「すごいね、いろいろ試して近い音になるやつを自分で見つけたんだ?」
なぎと「本当にデコチャリ愛が詰まったアイデア車だと僕は思いますね。大翔くん、さらにすごいことがあって、トラックのトミカってあるじゃないですか。それをこのように改造しているんです。デコトラに」
マツコ「へえ、器用だね」
なぎと「すごくないですか?」
マツコ「大翔くんって何やりたいの、将来?」
なぎと「サラリーマン」
マツコ「サラリーマン?活かしなさいよ、本当。すごいね」
ナレーション「続いてやってきたのは福岡県小郡市。こちらがデコチャリのオーナー虎太郎くん、高校2年生。なぎとくんと同じようにデコチャリ軍団極美会の会長を務めている。そんな彼の愛車が」
虎太郎くん「これが僕の愛車、龍虎丸です」
ナレーション「ガンダム系の最高峰と称される龍虎丸。まず目を引くのが、黄色いLEDマーカーの数」
虎太郎くん「この黄色のマーカーだけで、前後ろ合わせて105個。25万くらいいきます」
ナレーション「夜に点灯してみると、ご覧の華やかさ」
虎太郎くん「みんなフロントはかっこよくできるけど、後ろをこってり作っている人は少ない。後ろだけで全部合わせて筒が47個ついています。日本の中でも一番かっこいいと思います」
ナレーション「そんな龍虎丸のなぎとくんが男のロマンを感じるポイントが」
なぎと「車体の素材がアルミとステンレス」
マツコ「これはちょっとずるいよな」
なぎと「ずるいですよね」
マツコ「お父さんの力、だいぶ借りてるな」
なぎと「わかります?」
マツコ「わかるよ」
なぎと「やはりマツコさんが言ったとおり、なんと父親がトラック装飾の会社を経営しているんですよ」
マツコ「やっぱりそうよね。MK企画よ。後ろに会社書いてあった、名前」
なぎと「サラブレッドが作る究極の一台ですね」
マツコ「英才教育ね」
なぎと「財力が」
マツコ「財力って言うな、おまえ」


《龍神丸のイベントデビュー&究極デコトラ登場!》


なぎと「そして、俺らデコチャリ乗りで、悩みがあるんですよ」
マツコ「悩み多いだろうな」
なぎと「基本デコチャリは自己満足。でも見てほしい気持ちがある。唯一発表できる場が。マツコさん知ってますよね」
マツコ「だからあれでしょ、デコトラのイベントでしょ?」
なぎと「そうです、デコトライベントです」
マツコ「ごめんな、あたしも行きたいのよ、デコトライベント」
なぎと「今回龍神丸がトラックイベントに初デビュー」
マツコ「今までデビューしたことなかったの?」
なぎと「はい。それでそのVTRがあるので、ご覧ください。どうぞ」
ナレーション「なぎとくんと龍神丸が向かったのは、茨城県ひたちなか市。水戸友好団体というグループが主催するチャリティ撮影会。雨にもかかわらず、全国からおよそ700台が大集結。数多くのデコトラファンも来場」
番組スタッフ「なぎとくんこんにちは」
なぎと「こんにちは」
番組スタッフ「トラック乗せてきた?」
なぎと「はい」
番組スタッフ「お母さんがこういうときはトラックを運転?」
純子さん「そうですね」
ナレーション「自宅のある千葉県船橋市から、下道で3時間半かけてやってきた。会場に着いてまずやることが」
なぎと「今から知り合いのトラック運転手に挨拶を」
ナレーション「イベントを通してなぎとくんにはトラック野郎の知り合いがたくさん。パーツ情報を教えてもらい、自分のデコチャリに活かしていく」
番組スタッフ「デコチャリ少年、どう思われます?」
トラック運転手「うれしいですよね。だんだん減ってきちゃっているので。デコトラに興味を持ってくれる若い子がいるとうれしいですね。がんばってください」
ナレーション「午後6時半、イベントのゴールデンタイム。デコトラが一斉にまばゆい光を放つ」
なぎと「いやー、ヤバいです」
ナレーション「ライトと共にその個性も際立っていくデコトラ」
トラック運転手「今景気悪いからね。テンション上げていかないと」
番組スタッフ「総額すごいんじゃないですか?」
トラック運転手「計算したことない。怖い」
ナレーション「そして龍神丸も点灯し、いよいよお披露目のとき」
なぎと「早くみんなに見てほしい」
ナレーション「すると、あっという間に人だかりが。もちろんトラック野郎たちの姿も」
トラック運転手「S管だ。シャレてるよこれ。これは最高だよ。将来が楽しみだ」
トラック運転手「すごいです。めちゃくちゃかっこいい。ここまでいくと自転車じゃないですね。もうトラックだよね」
ナレーション「あこがれの人たちの言葉に、なぎとくんは?」
なぎと「幸せです」
ナレーション「と、そこへ」
なぎと「どうもです。一番あこがれている関野和也さん」
関野さん「あこがれですか。ありがとうございます。デコチャリの域を越している。エリートですよね。デコトラエリートっていうのかな。これ以上のものはたぶん無いと思うんですよね、どこ見ても。だからこれだけすごいのを作るんだから。自分のトラックなんか目じゃないものを作ると思う。楽しみにしているからね。がんばってください」
なぎと「がんばります。感無量です。あこがれの人からそう言ってもらえると、自分もうれしいし龍神丸もうれしいと思う」
ナレーション「こうして、龍神丸のデビューは大成功に終わった」
マツコ「最近見なくなった。高校生とかそれぐらいまでは、あたし大きい国道のそばに住んでいたからっていうのもあったけど。すごい絵を描いているトラックとかけっこう走っていたよ」
なぎと「ピーク時の10分の1ですから。それでも俺らデコチャリ野郎からすると、やっぱりデコトラ文化をもっと盛り上げていきたい、復活させたいっていう気持ちで今回紹介したいトラックがあります。デコトラ文化復活のために、みなさんに見てほしい。寿ゃ美咲嬢Ⅱ」
マツコ「実際にこういう名前のトラックがあるのね」
なぎと「そうなんです。今回マツコさん、来てくれています」
マツコ「例のところに行くのね」
なぎと「あちらです。どうぞ」
マツコ「いきなり見るとすごいわね」
なぎと「行きましょう。ヤバっ」
マツコ「すごいね」
なぎと「関野さん」
関野さん「どうも」
マツコ「なんかいいのは、昔のデコトラっぽい」
関野さん「ありがとうございます」
マツコ「すごい。あたしが子どものころ見てたときのデコトラ」
なぎと「全部電球で統一されている」
マツコ「そうね、電球の良さはあるよね」
関野さん「温かみがね」
マツコ「元気になる」
関野さん「ありがとうございます。そうですよね、やっぱり元気になるようにこの明るい黄色を使って」
マツコ「いいね、黄色いいね。ねえ、ちょっとあたしすごいのを発見したんだけど。神棚がついているわよ」
関野さん「そうなんですよ」
マツコ「やだ、すごい」
なぎと「レアですよ」
マツコ「いやいやいや、棚、これすごいじゃない。本当に神社みたいになって?」
関野さん「そうなんです」
マツコ「手を合わせないと申し訳ない。すごいわね、これ」
関野さん「もしよかったら乗ってみる?」
なぎと「いいんですか?」
関野さん「うん。乗ったことねえだろ?」
マツコ「おまえもいっしょに助手席に乗せてもらえよ」
関野さん「そうだよ、助手席乗って」
マツコ「乗せてもらえよ」
なぎと「あー!うおー!やべえ!」
マツコ「どう?」
なぎと「最高です」
マツコ「あと何年後かね」
なぎと「やりたいです」
マツコ「がんばれよ」
なぎと「がんばります」
関野さん「がんばれよ」
なぎと「はい」


~完~