台風一過。
関東甲信越地方にお住いの皆様、大変な思いをされましたね。
被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。
一夜明けて、徐々に被害状況が明らかになっていますが、様々な場所で大規模な水害が。。。
玉響が10年住んだ地の近所の河川が氾濫し、自治体による避難勧告が出されたというニュースを何度も見て、知人たちは大丈夫だろうかと案じております。
幾度となく目にしたあの穏やかな川が!?と。
国や自治体による救助や支援を待っている方は沢山おられるので、被害が更に拡大しないことを祈るばかりです。
来年のオリンピック開催中に台風19号規模のスーパー・タイフーンが来たら、どうなるんでしょうね
さて、本日ご紹介のアイボリーシリーズはコチラ
またもやウサギさんです
この練香水、前回も紹介したでしょ!と仰る其処のアナタ。
よ~~~っくご覧くださいね
あら、あららら
前回ご紹介したのは、左にチラッと写っている方
Ivory Series「Lucky Rabbit」 1984年
練香水:ユースデュウ
セカイモン経由ebayにて入手
そうです。
今回ご紹介の練香水は、Ms.ローゼリン著作によるこのコレクター本や、
Ms.アンのコレクター本に画像未掲載の練香水です
勿論、ブリギッテさんやリサさんのHPにも画像未掲載なのです
実のところ、1983年版の紹介項目で、1984年版の短い文章が記載されています。
「リムの色が青いエナメルの容器もあり、練香水はユースデュウである」と。
でも、発売年が不明で、容器の正式なタイトル名も未記載なんです。
1984年版を入手後、検索中に発売年は偶然にも判明したのですが、タイトル名は依然不明のまま
なので、1983年版と同一タイトルで紹介しています
1983年版と違うのは、
発売年、搭載練香水名、リム(練香水容器)のエナメル色の三点。
1983年の赤いエナメル彩色の練香水容器は割と出品されますが、この青いエナメル色の容器は中々見かけません
この容器ね、入札制だったのに注目度が低かったみたいで、玉響が入手できたのは本当にラッキーでした。
しかもお安かった
実をいうと、様々な眼の色を持つ欧米人の方だと、色の見分けがつきにくいのかもしれません
というのも。
日中の自然光の中で撮影した画像を掲載してくれれば分かりやすいのですが。。。
欧米人の出品者さんは、割と電球色の灯りの下で撮影された画像掲載が多いんです
現在の日本だとLEDが殆ど、もしくは白色灯や昼光灯の使用が多いでしょ?
昔のトイレに使用されていたような薄暗くて赤っぽい電球色を知っている人って、今の20代以下の人達は知らない人が多いのではないでしょうか
瞳の色素の関係で、欧米では電球灯の下で撮影することが多いのか。
今回のような赤いエナメル色でライン彩色された容器が、光の加減によっては青黒く写っていることが多いので見分けがつきにくいです。
ご縁があった容器は、はっきりと青いエナメル彩色であることが確認できたので入札・運よく落札できました
こちらもウェットティッシュと精製水でキレイキレイに
やっぱり黒目なので、ニホンノウサギ(日本野兎)ですね~。
さて、前回ではあえて触れなかった、容器本体に赤と青のエナメルで彩色されているこの模様。
一体何をデザインしたのでしょう???
最初は、雲紋、または松紋、或いは霊芝紋かなとも思って調べてみましたが。。。
いずれも決定打に欠ける
雲・松・霊芝はいずれも中国由来で日本でも吉祥紋ですが、エスティローダーのデザイナーは、容器の柄を何処で見たんでしょうねえ?
コレクター本ではこの文様について一言も触れていませんから、詳細は不明なのでしょう
もしかしたら、波紋をイメージしたのでしょうか???
波紋であれば、「波兎」という紋があるので。
(画像はお借りしています)
左から、
「夕浪兎」「浪に月に兎」「立浪に兎」
など波兎紋は色々あります
この「波兎」という紋が出来た背景には諸説あるようで。
一つには、謡曲(能)の「竹生島(ちくぶじま)」が由来と云われます。
竹生島とは、琵琶湖にある島の一つです。
『 緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり
月海上に浮かんでは 兎も波を奔るか 面白の島の景色や 』
謡曲「竹生島」は醍醐天皇の時代の物語で、天皇の勅使一行が竹生島明神に参拝するために琵琶湖の湖岸まで来た際に、どうやって島へ渡ろうかと思案していたところ。
翁と海女の乗る一隻の釣り舟が通りかかり、一行は同乗を許され竹生島へ向かいます。
その島へ向かう舟から眺めた湖畔の景色を歌ったのが、上の一節なのだそう。
歌詞の意味は、
島の緑豊かな木々の影が湖畔に映り、魚たちが木を登っているように見える。
月も湖面に映り浮んで、月に住む兎も波間に映る月明かりを奔けて行くようだ。
なんとも不思議な島の景色よ。。
島へ舟が到着するやいなや翁は龍神に、海女は弁財天へと姿を変えたことから、勅使一行は竹生島に住まう神々が霊験あらたかなことを思い知る、という内容の歌詞で、江戸時代初期に人気があったのだとか。
![うさぎ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/176.png)
![ウインク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/004.png)
![ニヤリ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/012.png)
ウサギさんズを並べてみました
容器のエナメルの色以外は同一の造りです。
どうせなら、1983年版のウサギさんの眼をエナメルの色に合わせて
赤眼にしてくれればよかったのにね~(笑)
でも、この容器の基となった根付のウサギさんは、黒目で造られていたのでしょうね。
デザイン基になった根付へのリスペクトなのかもしれません。
あ、購入の際に一つ注意点をば。
出品容器によっては、黒目が取れているウサギさんがいます
眼の素材は分からないけど、やはりルーサイトなのかな。
ラインストーンではないです。
複数の画像を掲載している出品者さんから購入されるのが宜しいかと思います
(画像はお借りしています)
またアイボリーシリーズのウサギさんには、
プロトタイプとして1982年作の親子兎がいるんです
これはレア中のレアなんじゃないかな~。
ブリギッテさんのHPで見ることが出来ますよ。
二羽で密談中、の図
そうそう。
兎について色々調べていたら、今年3月~5月にかけて東京都下の美術館で面白い展示会を行っていたんですね。
府中市美術館で開催された、その名も「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」というタイトルの特別展
中でも傑作なのが、
(水墨画画像は全てお借りしています)
徳川家三代将軍・家光公が描いたという「兎図」
何なんでしょう、この物の怪のような、コダマのようなウサギは
真っ黒に塗ったら、耳の生えたススワタリ?
なんでも家光公は「文武両道」の意識の下、狩野派の絵師について絵を習い、描いた作品を時折家臣に下賜したそうなのですが。。。
他にも、
家光公の作品「木兎(みみずく)図」
ミミズクの羽角、大きすぎるんじゃない???
ちなみに羽角が描かれていない梟図もあるそうですよ
家光公の作品「鳳凰図」
なんだか、オシドリに孔雀の尾羽をとってつけたような。。。
でも、どことなくユーモラスで、味があって良いかも(笑)
更に、
四代将軍・家綱公の作品「闘鶏図」
この親にして、この子あり。。。のセンスですね
こんなこと言ったら、家光公の乳母・春日局に不敬罪を問われて
打ち首獄門の刑に処されそうだけど
良いなあ。
こんな楽しそうな展示なら、北海道でも近代美術館で巡回展示してくれないかな
現在、東海地方で行政トップのお偉方が揉めにモメている某展示会より、余程面白そう。
EL製のウサギさんを並べてみました。
昨年のワンダーランド・ティーパーティやゴールデン・ラビットは
赤眼兎なので、種類はアナウサギになりますね
アイボリーシリーズは、日本の根付がデザイン基になっているので。
中古本だけれど、少し前に購入したのがコチラ。
高円宮コレクションの根付本です
数年前に、高円宮久子妃殿下が、故高円宮様と一緒に蒐集された根付を東京国立博物館へ寄贈なさったニュースを知っていたので。
どのような根付なんだろう?と個人的に興味を持っていたんですよね。
その中には、エスティローダーのアイボリーシリーズのデザインに通じるような根付は無かったけれども。
古い時代のものや、現代根付と呼ばれる様々な素材で造られている数々の根付が紹介されており、楽しませていただきました
東博では本館の高円宮コレクション室で常設展示し、四季折々に合わせて時々企画展を行っているようです。
現在は、10/27まで現代根付の企画展示を行っているそうですので、興味のある方は散策がてら行かれてみては。
イクラの軍艦の根付が可愛い~
東京在住だったなら、上野へ気軽に観に行けるのに~