日に日に朝晩の空気が冷え込んでいる自宅周辺域。
家屋が築ウン十年と古いので、日没後の数時間はストーブを点けるようになりました。
我が家のお猫様方は毎年この時期に年1回のワクチン接種があるので、風邪をひかれたら病院代が。。。
本日も二匹(女王様と女番長の姉妹)、かかりつけ医へ連行予定でございます(笑)
さて、エスティローダーの練香水。
今回より暫くの間は、「Ivory Series」をご紹介していきます
今年3月に、アイボリーシリーズの一つである「Contented Cat」をご紹介しました。
その後、ご縁があってアイボリーシリーズの練香水が複数、海を越えて手元にやってきたのですが。。。
Ms.ローゼリン、及びMs.アンが発行されたコレクター本に未掲載の練香水があり。
更に調べていくうちに、エスティローダーの練香水コレクターさんなら何方もが一度は目にされているであろう、ベルギー在住のブリギッテさんのHP、或いは米国在住のリサさんのHPにも未掲載の練香水が手元に来たことが判りました
ここ半年ほど調査していますが、中には詳細不明のモノもあります
過去にご紹介した練香水でも詳細が判れば随時更新していきますので、ご承知のほど宜しくお願いします。
では、今回はコチラ~
Ivory Series「Treasure Dog」 1979年
練香水:シナバー、又はアズリー
セカイモン経由ebayにて入手
アイボリーシリーズ二弾めは、狛犬さんでございます
1974年に「Imperial Solid Perfume Compact」練香水:ユースデュウで販売したものを、1979年に品名を変更して再販しています。
再販分は練香水がシナバーとアズリーの二種類あるのですが、今回入手分には商品シールが無しでした。
香りは多分、シナバーかなあ???
この狛犬さん、Ms.ローゼリンのコレクター本(青本)によると。
中国の狛犬(唐獅子)をモデルにしたのだとか。
それも、17世紀の玉(翡翠)製の箱を、そっくりそのままコピーしたのだそう
練香水容器の一辺が3㎝弱なので、日本だと企業が使用する正方形の社判の大きさですかね。
オリジナルが翡翠製なら、欧米人には箱(小箱?)に見えたのかもしれないけれども。
個人的には、玉璽もしくは落款用の判子をモチーフにしたのかなあ?というイメージがあります。
ELのデザイナーは何処でその玉製の箱を見たのでしょう?
やっぱりメトロポリタン美術館かなあ。
この狛犬さん、上下の牙が右側(向かって左側)しかありません。
左側は折れたのかと思いましたが、ネットで画像検索してみると、
いずれも右牙のみなので、型取り時点から左牙は無かったようです
ありゃ、蓋が少し浮いてましたね
実際にはきちんと閉まりますよ。
アイボリーシリーズとは銘打っているものの、象牙色ではなく。
狛犬さんは多分ルーサイト製で、紫檀の色合いに似せています。
シノワズリ(中国美術様式)の製品には紫檀が多いから、色合いを合わせたのかな?
実は、アイボリーシリーズで象牙色の狛犬さんもおりまして
紫檀色と同一デザインで、品名も同じ「Imperial Solid Perfume Compact」練香水:アズリーにて、1974年に販売されており。
再販年は不明ですが、練香水がユースデュウの象牙色狛犬さんも世の中においでです
象牙色さんともいずれご縁が繋がりますように
コレクター本では「ギリシャの鍵文様」と紹介されていますが、
中国や日本でいうところの雷紋が容器本体にデザインされています。
さて、寺社巡りがお好きな方はご存じだと思いますが。
境内に坐します狛犬さん、向かって右側が阿形(口を開いている)、左側が吽形(口を閉じている)ですよね。
阿形の狛犬さんは正確には獅子であり、吽形は狛犬だとご存じでしょうか?
しかも、吽形の狛犬さんには角が生えているのが本来の姿だということも
さすがにね、神社さんによって神使がお稲荷さんや、ウサギ、牛の場合は、動物により角の有無はありますが。
埼玉市の調(つき)神社の神使はウサギさんですし、鎌倉の鶴岡八幡宮の神使は鳩、逗子の亀岡八幡宮は亀、寒川市の寒川神社は鳥居などには獅子と狛犬がいて拝殿内にはお狐さん、という具合に神社さんの性格により神使もそれぞれ
また、神社さんで守護する神使さんは石造りが多いですが、以前一度だけ訪れた和歌山県の一ノ宮である伊太祁曽(いだきそ)神社の神使は木製の獅子と狛犬さんでした
伊太祁曽神社さん、木をふんだんに使った神社さんで気持ちの良い気が流れていましたよ
貴志川線貴志駅のニタマ駅長に会いに行きがてら、伊太祁曽神社や日前神宮・国懸神宮などへも再度参拝したいですが、千歳から和歌山は遠いんだよなあ。。。
(関空からならJR阪和線で近いのは分かっているんですけどね)
阿形なので、正確には獅子さんです
元々、狛犬さんのルーツは諸説ありますが、エジプトやインドからシルクロードなどを伝って中国や朝鮮半島を経由し、日本へは奈良平安時代に東大寺南大門に坐します石造りの狛犬さん(1196年)が日本最古らしいです。
「狛犬」と呼ばれるのは、朝鮮半島の「高麗(こま)」より伝わり「外来の犬」という意味で、高麗犬(こまいぬ)がいつしか狛犬となったのだとか。
また、仏教色を濃く反映している狛犬は、阿吽の形を取っており。
インドのサンスクリット語では「阿」は全ての始まりを、「吽」は全ての終わりを意味しており。
即ち阿吽とは、一対で始まりと終わり、この世の全てを表しているのだそうです
はい、ここで国語および古文の時間です
日本の文字には、平仮名、片仮名、漢字がありますね。
古文で習ったのは、仮名文字の一つである「いろは順」で。
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす(ん)
色は匂えど 散りぬるを
我が世誰そ 常ならん
有為の奥山 今日超えて
浅き夢見じ 酔いもせず(ん)
いろは順は、平安時代末期に流行った涅槃経という経文の思想を取り入れているのだとか
現代は五十音順ですが、「あ」で始まり「ん」で終わるということは、国学者の先生方が阿吽の思想を取り入れたということなのでしょうか???
狛犬。。。ならぬ獅子さん、お尻もプリチーなのです
ちょっとボケたけど、ズームインしてみました
ちゃんとね、タマタマも表現されています(笑)
獅子・狛犬にちなんだ解説を書いていますが。。。
新年の一般参賀などで皇居へお出でになった方はいらっしゃいますか?
日本全国にある神社さんの総本家は皇室であり、皇居ですよね。
純粋な興味なのですが、皇居内には神使の獅子や狛犬さんはいらっしゃるんでしょうか???
検索してみたのですがイマイチ不明で
ご存じの方がおいででしたら、教えて下さいませ。
でも京都御所には、明治天皇即位の際に天皇の前に置かれたという獅子狛犬の置物がいらっしゃるそうで。
(画像お借りしています)
今年3月の、代替わりに伴う京都御所の一般公開時に
明治天皇の前に置かれたという、この獅子狛犬さんも展示されたそうですよ
木製の像で漆箔の上に、獅子には金箔を、狛犬には銀箔が
施されたそうですが、酸化したのか銀箔が緑色になってます。。。
今月22日の今上陛下の即位礼では、TV画面越しに獅子狛犬さんを探してみましょうかね
蓋を開けてみました
丁度40年前の品ですが、練香水の香りは十分に残っています
そして蓋裏に刻印されたESTEE LAUDERの文字はやっぱり控えめ。
前回紹介したクリスマス・カメリアと一緒に
どういう基準なのかイマイチ不明ですが、
カメリアはアイボリーシリーズではないのです。
椿自体も中国沿岸部や朝鮮半島を経由して日本へ伝播したらしいのですが。
カメリアは中国美術様式の括りという訳でもなさそうで、エスティローダーのコンセプトはイマイチ不明なり
あ、でも、遣唐使船では日本の特産品の一つとして真珠と一緒に椿油も時の中国皇帝へ献上した記録が残っているんですって。
けど折角なので、東洋龍とも記念撮影
紫禁城には狛犬さんや唐獅子さんが沢山鎮座されているそうですよ
次回もアイボリー・シリーズを紹介予定ですが、もしかしたら比較的最近のEL練香水をご紹介するかもしれません。
EL以外で未紹介の練香水も幾つかあるので。
次回をお楽しみに~