雨の土曜日。 | 苦SMILE!

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調べたら、30日が最終日。

 

たまたまその前日の土曜日は

午後の予定がぽっかり空いたので

東京都現代美術館へ。

 

 

 

教授の大型インスタレーションを紹介する

個展「坂本龍一|音を視る 時を聴く」。

 

その内容は
生前坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開します。これらの作品を通して坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介いたします。(東京都現代美術館HPから抜粋)

 

 

ファンならずとも…よく使われる言葉に

吸い寄せられるように、

行った先には130分待ちという長〜い列が。

雨だし、寒いし、そこまで…

と甘く見ていたけれど、さすが東京。

世代も国籍もバラバラの人間が

この展示目当てにこんなにたくさん…

正直、驚いた。

 

震えながら外で1時間、

館内で1時間半近く待ち、

やっと辿り着いた会場の中も

激混みwww

 

イメージしていた優雅な芸術鑑賞とは

ほど遠い状況だった。

 

 

正直に言うと、邪念が多過ぎて

この世界観に没入することは

できなかったけど、

いくつか興味深い展示があった。

 

 

一つは「IS YOUR TIME」。

東日本大震災の津波で被災した

宮城県農業高等学校のピアノに出会った教授が

当時、「音楽の死」を感じたというピアノの展示。

 

人間によって作られたピアノが

自然の力によってその機能を失い

ものへと還っていくさま。

海水に漬かり、楽器としてはもう

使えなくなってしまったピアノが

ポツンと配された空間に音が流れた。

世界各地の地震データによって

演奏することで

「転生」させることを試みた展示には

心の芯を揺さぶられた。

 

 

もう一つはZakkubalanとの

コラボレーション作品「async–volume」。

ニューヨークのスタジオやリビングの映像が、

それぞれの場所の環境音と

楽曲の音素材をミックスしたサウンドとともに

1つのインスタレーションとして構成されていた。

暗室の壁にiPhoneとiPadが配され、

そこに映し出される世界を覗き込むように

鑑賞するのだが、

そこに教授の存在を感じられるような…

デジタルなのに温度感のある作品だった。

 

 

他にも若い頃に思いついた言葉や発想を

走り書きしたようなノートや

インプットの様子が垣間見える資料には

さまざまな想像を掻き立てられた。

 

 

とはいえ、人混みをかき分けながら

必死に鑑賞したので

出口を出た頃には、疲労困憊。

感性を磨くつもりで出かけたのに、

なんだかすり減った感www

 

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それにしても、入場料2,400円と

決して安くない個展だが

訪れている客は若い世代が多く

札幌では考えられないなぁ、と思いながら

その現実を受け止めていた。

 

「本物」を見たい、

学ぼう、吸収しようという姿勢と欲求は

東京ならではのエネルギーだと思う。

 

 

ワタシも負けてはいられない。

別の角度からも刺激を受けた

時間だった。